かんたん生物学

哺乳類の祖先、単弓類

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哺乳類の祖先、単弓類

単弓類(たんきゅうるい)という動物は、両生類から進化した動物グループの一つで、厳密には哺乳類も単弓類に含まれます。

単弓類は、恐竜よりもひとつ古い時代、古生代ペルム紀~中生代三畳紀後期にかけて大繁栄した動物グループです。
トカゲのような小型種からサイくらいの大型種まで大きさもさまざまで、植物食から肉食まで、たくさんの種類の化石が見つかっています。

古生代ペルム紀の原始的な単弓類、ディメトロドン。

単弓類は全ての種類が陸生の4足歩行の動物で、水中や空に適応した種類はいませんでした。

中生代三畳紀前期の単弓類、リストロサウルス。

単弓類は、中生代三畳紀末には哺乳類の系統を残して激減し、中生代白亜紀中ごろまでに、哺乳類以外の単弓類はすべて絶滅しました。

たんきゅうるい?。

「単弓類」、聞いたことないよ。教科書に載ってなかったよ。
というのも無理はないです。

数年前まで、「単弓類」は「爬虫類」の中の1グループとして分類されていました。

「単弓類」は、「哺乳類型爬虫類(ほにゅうるいがたはちゅうるい)」
と呼ばれていたので、こっちの名前の方が知られているかもしれません。

現在はこの呼びかたは使われていません。

「爬虫類」の祖先となった「両生類」と「単弓類」の祖先となった「両生類」は別系統のグループで、
「両生類」の時点ですでに枝分かれしちゃってるので、
「単弓類」は「爬虫類」ではない、というわけです。

単弓類と爬虫類の関係

別系統の「両生類」から進化したとはいえ、初期の「単弓類」は、「爬虫類」にとても良く似ています。

顔が長かったり、肋骨がたくさんあったり、腹ばい姿勢だったり・・。

「単弓類」は、そもそも「爬虫類」の1グループとして分類されていました。

爬虫類の分類方法で、側頭窓の数が、無いもの(無弓類)、一つあるもの(単弓類)、二つあるもの(双弓類)というグループ分けの名残なのです。

「単弓類」という名前は、
眼窩(がんか:眼球が納まる穴)の後ろにある『側頭窓(そくとうそう)』という穴が一つしかないことから来ています。

側頭窓が分かりやすい「双弓類(そうきゅうるい)」から見て行きましょう。

恐竜、フクイサウルス。恐竜は「爬虫類」のうちの1グループ、「双弓類」に含まれます。

側頭窓は2つ。眼窩の後方と頭頂部にあります。

双弓類の”弓”とは、側頭窓と眼窩を隔てるほそい骨のことです。

側頭窓が2つあると、”弓”が2個できるので、双弓類。

現生の爬虫類(カメ、ワニ、トカゲ、ヘビなど)はすべて、双弓類です。
 
 
こちらは、古生代ペルム紀の原始的な爬虫類、パレイアサウルス。

原始的な爬虫類には側頭窓が無いのです。(両生類にも無いです)
 
 
「単弓類」のディメトロドン。側頭窓は一つです。

哺乳類の側頭窓

哺乳類も厳密には「単弓類」の一種なので、側頭窓が一つあるはず。
 
ご自身の眼窩(がんか:目ん玉の穴)の周辺を触ってみてください。
 
穴、開いてましたか?。
 
 
開いてないですよね。開いていたら大騒動です。
 
 
現在の哺乳類は、眼窩と側頭窓が一体化してしまったり、
くぼみだけが残っていたりして、側頭窓は痕跡だけになっているのです。

側頭窓の役割は、
噛む力UPのための筋肉を通したり、重い頭骨を軽くすることです。

哺乳類は、効率よく噛むためにアゴや歯を進化させていますし、
大きな脳を守るためにも、側頭窓は必要無くなったのでしょう。

三度の大絶滅をくらった単弓類

現在は、哺乳類以外の「単弓類」を見ることはできません。

「単弓類」は、哺乳類以外すべて絶滅しています。

「単弓類」が大繁栄していたのは、恐竜が繁栄するよりも一つ前の、古生代ペルム紀~中生代三畳紀後期です。

しかし、古生代ペルム紀末、全生物の45%が絶滅したとされる史上最大の大絶滅「ペルム紀末の大絶滅」で多くの「単弓類」のグループが絶滅しました。

ペルム紀末の大絶滅を生き残った「単弓類」は、中生代三畳紀初期~後期にかけて再び繁栄します。

哺乳類の祖先に近い単弓類グループ 「獣弓類」は特に繁栄し、三畳紀中ごろには「獣弓類」から最初の哺乳類が分岐しました。

しかーし!!

中生代最初の大絶滅、「三畳紀末の大絶滅」でまたまた多くの「単弓類」が絶滅します。

祖先グループから分岐した哺乳類以外の「単弓類」は、ジュラ紀中ごろには全て絶滅したと考えられています。

※石川県の白亜紀中頃の地層から、単弓類「トリティロドン」の化石が見つかり、白亜紀中ごろまではアジアのはじっこで生きていたことがわかりました。
当時の、生きた化石的な珍獣となっていたのでしょう。

「単弓類」は絶滅しましたが、単弓類の生き残りともいえる哺乳類は進化を続けていました。
しかし、三度目の大絶滅をくらうことになります。

「白亜紀末の大絶滅」です。

「白亜紀末の大絶滅」で哺乳類は大激減しますが、恐竜類が絶滅して空いたニッチ(生態的スペース)に進出することで再び繁栄し、現在に至っています。

現代は、古生代、中生代、に続く、新しい時代、新生代と呼ばれる時代です。
新生代は、別名「哺乳類の時代」とも呼ばれます。。

単弓類の種類

哺乳類の起源は、単弓類(単弓網)という大グループの中の、
獣弓類キノドン類(獣弓目キノドン亜目)です。

キノドン類のある系統から、中生代三畳紀中ごろ~後期にかけて(2億年前)頃に現れたのが哺乳類です。
キノドン類のどの種類が直接の祖先なのかは、はっきり分かっていません。

キノドン類という動物を見てみましょう。

これは初期のキノドン類、プロキノスクス。

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