雪見灯篭、雪見橋、雪見御亭
かつて、兼六園の七福神山は、竹沢御殿の中庭にある築山でした。
築山には雪を楽しむための、雪見灯篭、雪見橋、雪見御亭(ゆきみのおちん)があった、と記録されています。
雪見灯篭、雪見橋は当時と変わらない場所にありますが、雪見御亭はありません。
実は、雪見御亭の一部は尾山神社(おやまじんじゃ)にあるのです。
雪見橋
七福神山の正面にある、大きな青戸室石が2枚並んだ橋が雪見橋(ゆきみばし)です。
ほんの少し弧を描いて2枚並んでいる部分が青戸室石の橋で、白っぽい四角い石は橋を乗っける台石です。
橋の長さは4.7m、幅2.24m、厚さ29cmです。
囲いの中にあるため、現在は渡ることができません。
作業員の方でも歩いて渡ることは禁止されている、と聞いたので、落ちたり割れたりしそうなのかもしれません。
雪見灯篭
雪見橋の下流にある3本足の灯籠は、雪見灯篭(ゆきみどうろう)です。
傘が六角形の大型の灯篭で、白い御影石で作られています。
雪見橋とはけっこうな距離があるので、この中間くらいに雪見御亭があったのかもしれません。
竹沢御殿の雪見3点セット
元々、七福神山は竹沢御殿の座敷から見える築山でした。
竹沢御殿と兼六園
雪見橋、雪見灯篭は雪景色を眺めるために作られたものです。
じつはもう一つ、今はなくなってしまいましたが、雪見御亭(ゆきみのおちん)というあずま屋がありました。
雪見御亭から、雪見橋や雪見灯篭にかかる雪を眺めるようにつくられた3点セットだったのではないか、と言われています。
雪見御亭はどこへ?
雪見御亭は石造りのでっかい灯篭のような姿の御亭で、屋根として使われていた石は、園内でもっとも大きい石だった、とされています。
雪見御亭の屋根になっていた大きな石は、「尾山神社(おやまじんじゃ)の観光の目玉にする」、という理由で持ち出され、ひっくりかえされて、神門の敷石となって観光客に踏まれています。