中生代の生物 恐竜・周飾頭亜目

プシッタコサウルス、フリルも角も無いのに尻尾に羽毛

プシッタコサウルス

プシッタコサウルスは、白亜紀前期のアジアにすんでいた角竜類です。

角竜類にはトリケラトプスやプロトケラトプスが含まれますが、プシッタコサウルスは、角もフリル(えり飾り)も持たない原始的な角竜類です。


プシッタコサウルス
学名:Psittacosaurus lujiatunensis(プシッタコサウルス・ルジアトゥネンシス)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 鳥盤目 周飾頭亜目 角竜下目 プシッタコサウルス科
時代:中生代 白亜紀前期
体長:1.8m
発掘地:中国、モンゴル
学名の意味:オウムトカゲ

フリルもねぇ、角もねぇ♪

プシッタコサウルスは白亜紀前期の終わり頃(アプチアン~アルビアン:約1億2500万年前~約1億0050万年前)のアジアにすんでいた角竜類です。

学名の由来は、オウムのようなクチバシを持っているから。

オウムのようなクチバシと横に張り出した頬のトゲが特徴です。

体長は1.8m、推定体重9kg~20kgです。

ヒトと比べるとこれくらい。

角竜類といえば、トリケラトプスやプロトケラトプスなどの、角やフリル(えり飾り)で武装した四足歩行のゴッツイ恐竜が有名です。

しかし、原始的な角竜類であるプシッタコサウルスは二足歩行で、角もフリル(えり飾り)も持っていません。

イチイチ君
イチイチ君
角竜類が二足歩行から四足歩行へ移行したことがわかります。

いちばん上の画像のプシッタコサウルス・ルジアトゥネンシスは、2006年にプシッタコサウルス科の新種として発表されました。

こちらはプシッタコサウルス・ルジアトゥネンシスとは別種。
プシッタコサウルスの一種。

プシッタコサウルス・ルジアトゥネンシスと比べると、頭骨の高さが低く、首は短く、前肢が長いです。

同属でも体型がかなり違うのは、食べる物や暮らす場所が違っていたからかもしれません。

尻尾に羽毛があった!

2001年に、尻尾に羽毛の痕跡が残ったプシッタコサウルスの化石が見つかりました。

フリルも角も無いのに羽毛は持っていたのです。

鳥盤類で羽毛が見つかったのは、プシッタコサウルスが始めてです。

尻尾の羽毛は羽軸が伸びてトゲのようになったようなつくりで、体温を維持するためというよりは、飾り羽のような役割をしたのかもしれません。

恐竜の胃石

プシッタコサウルスは、恐竜全体の中でも最も研究されている恐竜のひとつで、子どもから老体、巣や卵まで、たくさんの化石が見つかっています。

イチイチ君
イチイチ君
2003年に、プシッタコサウルスの巣の化石から成体1体と子ども34体の化石が見つかりました。一体が産むには多すぎるので、共同で子育てをしていたのかもしれません。

食性が分かるこんな化石も。

プシッタコサウルスの化石。胃石(いせき)が残っています。

胃石とは、食べた植物の消化を助けるために飲み込んだ石です。
 
 
胃石の拡大。こまかい胃石がいっぱい。

どんだけ胃石を飲み込むねん。胃もたれしそう。

クチバシで植物を摘み取ったり、硬い枝をちぎったり・・。

クチバシで摘み取った植物は、あまり噛まずに飲み込んで胃石にお任せしていたのでしょう。

やがて角竜類は大きな消化器官を持つようになって四足歩行に移行し、大型化していきました。


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