中生代の生物 単弓類

トリティロドン、哺乳類が枝分かれした後も進化し続けた最後のキノドン類

トリティロドン

トリティロドンはジュラ紀前期(約1億9960万年前~約1億7560万年前)の南アフリカにすんでいた単弓類です。

単弓類(単弓網 獣弓目 キノドン亜目)から哺乳類が枝分かれした後も哺乳類と共に進化し続け、白亜紀前期まで生き延びた最後のキノドン類です。


トリティロドン
分類:単弓綱 獣弓目 キノドン亜目 トリティロドン科
学名:Tritylodon sp.(トリティロドンの一種)
体長:30cm
発掘地:南アフリカ
時代:中生代 ジュラ紀前期
学名の意味:三つのこぶのある歯

最後のキノドン類

トリティロドンは、中生代 ジュラ紀前期(約1億9960万年前~約1億7560万年前)の南アフリカにすんでいた単弓類で、キノドン類最後の仲間です。

植物を食べていたようで、ネズミ目(げっし目)のように、歯隙(しげき:前歯の後ろにある歯の無い空間)があり、かじった植物のカスをポイポイ捨てやすくなっていました。
穴を掘って地中にすんでいた、という説もあります。

鼻と口を分ける骨がある、腰骨に肋骨が無い、などの哺乳類の特徴を持っていますが、耳の構造は哺乳類とは違い爬虫類のままでした。

腰骨に肋骨が無いと体をよじることができます。

「トリティロドン」が含まれるキノドン類は、ジュラ紀前期頃までに世界中のほとんどの地域で絶滅したと考えられていましたが、
石川県白山市、手取層群(白亜紀前期の約1億3000万~1億 2000万年前の地層)から「トリティロドン」の仲間の歯が見つかり、少なくともアジアのはじっこでは白亜紀前期まで生き残っていたことが分かりました。
生きた化石的な存在だったのかもしれません。

「トリティロドン」を最後に、哺乳類以外の単弓類は絶滅しました。

石川県白山市の桑島層で見つかったトリティロドンの歯。
発掘体験で小学生が見つけたもので、大きさは1ミリ~2ミリくらい。

桑島層ではトリティロドンの歯がたくさん見つかっています。

最後の単弓類であるキノドン類トリティロドンが絶滅した理由は、子孫である哺乳類との競合に負けたため、と言われています。


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