生物の分類について
生物とは、生きた物のこと。バクテリア(菌類)も植物も動物も生物です。
たくさんの生物は、類縁関係が近い種ごとにグループ分けされています。
現生の地球上には、バクテリアから植物から動物まで発見されているだけで約100万~170万種の生物がいるとされています。
類縁関係が近い種類をまとめて1つの「種(しゅ)」、
種同士で類縁関係が近い「種」をまとめて「属(ぞく)」、
属同士で類縁関係が近い「属」をまとめて「科(か)」、
科同士で類縁関係が近い「科」をまとめて「目(もく)」、というふうに、階層として分けられています。
類縁関係のグループ分けの基準は一昔前までは見た目や生態でした。近年では、DNAの差異の多い少ないによって分類されるようになりました。
クリオネは見た目はクラゲに似てる?、ウミウシにも似てるけど??。
生物学の分類ではクリオネは、
動物界 軟体動物門 腹足綱 裸殻翼足目 ハダカカメガイ科 ハダカカメガイ属 に分類されています。
クリオネは軟体動物なのでイカや貝類の仲間であり、腹足綱には巻貝が含まれます。殻を持たない巻貝の仲間です。
分類の区切り、階層
分類の区切りは階層と呼ばれ、大きな階層から、
「界(かい)」、「門(もん)」、「網(こう)」、「目(もく)」、「科(か)」、「属(ぞく)」、「種(しゅ)」
に分けられています。
人間はヒトという種類の生物なので、
動物界 脊索動物門 哺乳綱 サル目 ヒト科 ヒト属 ヒト種
という分類になります。
実際には階層の間に、亜門とか上網とか上科とか、ややこしいのがたくさん挟まります。
全て表記すると、分類学では生物同士の親戚関係がすぐ分かるのでとっても便利なのですが、長いので・・、
動物園や図鑑では、網と目と科と種を記したスタイルで表示されています。
こんな感じで、簡単表記されます。
哺乳網 サル目 ヒト科 ヒト
分類上は「網」とか「目」と表すのが正しいのですが、グループとか仲間という意味で「類」も使われます。
「哺乳網」とか「鳥網」と表すよりも、哺乳類とか鳥類と表現するほうが、一般的でおなじみですね。
哺乳類 サル類 ヒト科 ヒト
どちらで書いてもヒトが哺乳類でサルの仲間であることが分かるので、間違いではありません。
遺伝子でグループ分け
DNAというものが知られていなかった時代は、生物の分類は、外見や活動スタイルによって分けられていました。
イルカやクジラは海にすむ生物という理由で、魚類に分類されたこともあるのです。
哺乳網 鯨偶蹄目 マイルカ科 ハンドウイルカ
現在は、生物同士の遺伝子を比べて、どのくらい前に異なる遺伝子を持つようになったのか、を知ることで、別々のグループに枝分かれした時期をさかのぼって分類されるようになっています。
ヒトとチンパンジーが枝分かれした時期は約500万年前です。
枝分かれする前には、ヒト&チンパンジーに共通する祖先動物がいたわけです。
その祖先動物とゴリラが枝分かれしたのが700万年前なので、ヒトはゴリラよりもチンパンジーに近い仲間、というわけです。