古生物の基礎

恐竜って最初に言ったのだーれ

言いだしっぺは誰?

恐竜とは、ギリシャ語の『デイノス=恐ろしい』、『サウルス=トカゲ』を組み合わせた言葉で、『恐ろしいトカゲ』という意味です。

恐竜、ティラノサウルスの化石。

英語では、ディノサウルス、デイノ、ダイノゥ、ダイナソーとも呼ばれます。

発見された爬虫類の化石を「これは恐竜です!」と言ったのは誰なんでしょう?

言いだしっぺはこのオジサン

「ディノサウルス=恐竜」という言葉が最初に使われたのは、今から175年前の1841年。

恐竜と言う言葉の最初のいいだしっぺは、イギリスの比較解剖学者、リチャード・オーエン氏。

イギリス大英博物館の自然史部門の初代館長となったヒトです。

大昔から化石は見つかっていた

恐竜と呼ばれる以前から恐竜の化石は地表に露出していて、ヨーロッパでは巨人の骨、中国では龍骨などと呼ばれていました。

イチイチ君
イチイチ君
日本でも、サメの歯の化石は「天狗の爪」、巻貝の化石は「月のおさがり(おさがり=キレイなウンコ)」と呼ばれていました。

当時ヨーロッパでは、
「神様自身がお作りになった(完璧な)生き物を、自ら絶滅させるわけがない」という宗教上の考えが一般的であったため、化石はすべて現生の生き物の骨であるとして、くわしく研究されたことはありませんでした。

マーストリヒトの大怪獣

1770年、オランダのマーストリヒトの鉱山で、明らかに現生の爬虫類ではない巨大なアゴの化石(モササウルスの化石)が見つかり、大騒ぎになりました。

見つかった巨大なアゴの骨は「マーストリヒトの大怪獣」と呼ばれ、教会に飾られました。

怪獣の骨は、フランスの解剖学者、ジョルジュ・キュビエ男爵によって研究され、「モササウルス(ミューズ川のトカゲ)」と名づけられました。

フランスの解剖学者、ジョルジュ・キュビエ男爵。

マーストリヒトの大怪獣の歯の生え方(抜けても何度でも生えてくる、予備の歯が準備されている)が、爬虫類と同じ特徴であることに気づいた男爵は、「海にすむ絶滅した爬虫類である。」と発表しました。

フランスvsイギリス

フランスの解剖学者が化石を研究して新しい発見をした、ということで、(フランスに負けてなるものか!と思ったかどうかは分からないが・・)

イギリス全土の爬虫類の化石を比較研究せよ!

と依頼を受けたのが、リチャード・オーエン氏だったのです。

リチャード・オーエン氏は、いくつかの化石(メガロサウルス、ヒラエオサウルス、イグアノドン)を調べ、現生の爬虫類とは異なる特徴を持った新しい爬虫類のグループである、として、

始めて、「ディノサウルス=恐竜」と名づけ、世界中に発表しました。

ディノサウルス(恐竜)という言葉は、ここから始まりました。


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