古生代の生物

ディプロカウルス、ブーメラン頭の両生類

ディプロカウルスは、古生代 ペルム紀前期の北アメリカにすんでいた両生類です。

全身が平たくブーメラン型の頭骨を持つのが特徴で、一生を水中ですごしたようです。

ディプロカウルス
ディプロカウルス(頭骨)
学名:Diplocaulus magnicornis(ディプロカウルス・マグニコルニス)
分類:両生綱 空椎亜綱 ネクトリド目 ケラテルペトン科
時代:古生代 ペルム紀前期
体長:1m
発掘地:北アメリカ
学名の意味:二つの突起

絶滅両生類グループ、空椎類の仲間

ディプロカウルスは、古生代 ペルム紀前期(約2億9829万年前~約2憶7300万年前)の北アメリカにすんでいた両生類です。

絶滅した両生類グループ「空椎類(くうついるい:空椎亜綱)」の一種で、現生の両生類に近い仲間はいません。

ディプロカウルス

頭骨の左右がブーメラン型に張り出し、胴体は上下に平たく、尻尾の骨を真横からみると双斧(ダブルアックス)のようになっています。

上下に高さがある尻尾で水を掻いて泳いでいたのでしょう。

福井県立恐竜博物館のディプロカウルスの復元模型。
ディプロカウルス

四肢はありますがとても短く、一生を河川や湖沼で過ごし、陸上で活動することはほとんどなかったと考えられています。

正面から見ると、変。
ディプロカウルス

幼体の頭骨はブーメラン型ではなく、成体になるにつれこのような頭骨に成長していったようです。

ブーメラン頭骨の構造

頭骨の裏っかわ。プーメランは一つの骨が伸びたものではなく、いくつかの骨が組み合わさっていることがわかります。
ディプロカウルス

表面はブツブツのデコボコ。最近の化石の研究から、ブーメランのフチには皮膜があり、胴体までつながっていたとされています。

ディプロカウルス

頭骨ブーメランと胴につながるように膜があった痕跡の残る化石が見つかっていて、生きている姿は化石からは推測できないヘンテコ生物だったかも。

ブーメラン頭骨の役割

ディプロカウルスのブーメラン型のヘンな頭骨の役割には諸説あり、泳ぐ時に水中で揚力を得るため、捕食者を威嚇するため、異性にアピールするためなどの説があります。

個人的には水底に張り付くためではないかと思っています。
レーシングカーのケツについているスポイラーとかウイングの役割(車を地面に押し付けるため)と同じなんじゃないかなーと。

目も上方についてますし、体も横に広く、上下に薄いペタンコなので、流れのある場所の底にすむ生物だったのではないでしょうか。


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