エオドロマエウス

恐竜・獣脚亜目 中生代の生物

エオドロマエウス/Eodromaeus

エオドロマエウスは、後期三畳紀のアルゼンチンにすんでいた恐竜で、最古の獣脚類のひとつです。

ティラノサウルスやトリケラトプスが現れるより約1億5000万年も古い時代の恐竜です。

恐竜の祖先が現れてまもない時代の化石が多く見つかっている、アルゼンチンのイスチグアラスト層から見つかっています。

エオドロマエウス
エオドロマエウス
学名:Eodromaeus murphi(エオドロマエウス・マーフィー)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 科未定
時代:中生代 後期三畳紀
体長:1.5m
発掘地:アルゼンチン サンワン州
学名の意味:暁の走る者(エオ=暁の、ドロマエウス=走る者)

最古の獣脚類

エオドロマエウスは、後期三畳紀(カーニアン:約2億2870万年前~約2億1650万年前)のアルゼンチンにすんでいた獣脚類です。

1996年に発見され、2011年に命名されました。

体長1.5m、推定体重9kg~20kg。

獣脚類としては最古の仲間の一つで、恐竜の祖先が現れてまもない時代の化石が多く見つかっている、アルゼンチンのイスチグアラスト層から発見されました。

華奢な下アゴ、大きな眼窩

エオドロマエウスの頭骨です。

エオドロマエウス

頭骨のわりに歯が大きく、細くて華奢な下アゴ、大きな眼窩(目の穴)をしています。

後の進化した獣脚類と同じく、薄くて湾曲した歯を持ち、鋸歯(きょし:歯のふちにあるギザギザ)が細かく、肉を裂くのに最適な歯を持っています。

エオドロマエウスの頭骨正面。
エオドロマエウス

口先が細くなる三角形の頭骨で、ディロフォサウルスやアロサウルスのような骨のトサカや飾りは見られません。

歯の形や頭骨の形から肉食性であったと考えられていて、トカゲや昆虫のほか、同じ時代、同じ場所でくらしていたエオラプトルの幼体なんかも襲っていたのかもしれません。

エオラプトルを襲うエオドロマエウス。

原始的な四肢

エオドロマエウスの前肢。
エオドロマエウス

見えにくいですが、エオドロマエウスの前肢は5本指です。

第四指(薬指)と第五指(小指)がかなり小さくなって退化していますが、まだ残っています。

獣脚類は進化するにつれ前肢の指の数が少なくなっていきます。

多くの獣脚類は3本指ですが、ティラノサウルスは2本指、アルバレッツサウルスなどは1本指です。

エオドロマエウスの後肢。
エオドロマエウス

エオドロマエウスの後肢は5本指ですが、第五指(小指)は退化して、添え木状態です。

第一指(親指)は小さく退化していますが、まだ他の指と同じ方向を向いています。
(進化した獣脚類では、鳥のケヅメみたいに足の後ろ側へ向きます。)

中足骨(足の甲)は結束していませんね(バラけてる)。

進化型の獣脚類の代表、ティラノサウルスの後肢と比べてみましょう。

ティラノサウルスの後肢。

ティラノサウルスでは、矢印、中足骨(指の骨)がガッチリ結束しています。
前を向く3本の指とは逆方向にもう1本、脚の後ろにも指(親指)があり、ニワトリの蹴爪(けづめ)状態です。


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