中生代の生物 恐竜・装盾亜目

ヘスペロサウルス/Hesperosaurus

ヘスペロサウルスは、後期ジュラ紀の北アメリカにすんでいた剣竜類です。

ステゴサウルスに似た姿をしていますが一回り小さく、背中の板は丸っこいです。

ヘスペロサウルス
ヘスペロサウルス
学名:Hesperosaurus mjosi(ヘスペロサウルス・ムーシ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 鳥盤目 装盾亜目 剣竜亜目 ステゴサウルス科
時代:中生代 後期ジュラ紀
体長:6m
発掘地:アメリカ ワイオミング州
学名の意味:ヘスペロス(ギリシャ神話の西方の神、西)のトカゲ

背中の板が丸い剣竜類

ヘスペロサウルスは、後期ジュラ紀(キンメリッジアン~チトニアン:約1億5730万年前~約1億4500万年前)の北アメリカにすんでいた剣竜類です。

最大体長6m、推定体重2t。剣竜類としては大型ですが、ステゴサウルス(9m)より一回り小さいです。

ステゴサウルスに近縁で、同じ時代、同じ地層から見つかっています。

ステゴサウルスとヘスペロサウルスの違い

ステゴサウルスとは板の並び方が同じで、板は互い違いに並んでいますが、板の形が異なります。

ヘスペロサウルスの板はステゴサウルスよりも丸っこく、丈が低い板です。

ヘスペロサウルス

ヘスペロサウルスの方が小柄であること、頭骨の幅が広いことから、ステゴサウルスとは別種とされていますが、ヘスペロサウルスはステゴサウルスのメスか亜成体ではないか、という説もあります。

模式標本

福井県立恐竜博物館にあるヘスペロサウルスの模式標本(本物)。HMNS14。

ヘスペロサウルス

模式標本とは、生物の分類を決める際の基準になる標本のこと。

恐竜の場合、世界中の研究者が模式標本の化石の特徴と発掘した化石の特徴とを比較して新種だの同種だのが決まります。

ステゴサウルスの頭骨よりも上下に高く、左右に幅がある頭骨です。

ステゴサウルス
近縁種ステゴサウルス/Stegosaurus

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ヘスペロサウルスの特徴

ヘスペロサウルスの頭骨です。


ステゴサウルスに比べると寸詰まりで幅があり、クチバシの骨も丸いです。

眼窩(がんか:目の穴)も丸いし、背中の板も丸っこい。

ヘスペロサウルスの前肢です。

前肢の指の長さに注目。

前肢は5本指で、第一指(親指)と第二指(人差し指)が長く、他の指はかなり短くなっています。(第5指がいちばん短く、画像では見えない側面にあります。)

イチイチ君
イチイチ君
ステゴサウルスも同じ指が短くなっています。

ヘスペロサウルスの後肢は3本指です。

イチイチ君
イチイチ君
原始的な剣竜類であるトゥオジャンゴサウルスは前肢は5本指ですが、前肢の指はペスペロサウルスほど退化しておらず、後肢の指は4本です。


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