ヒプシロフォドン
ヒプシロフォドンは、白亜紀前期のヨーロッパにすんでいた二足歩行の小型植物食恐竜です。
ヒプシロフォドンの仲間は新鳥脚類のうちではもっとも原始的な仲間です。
進化型の鳥脚類では口先の歯が無くなっていますが、ヒプシロフォドンの仲間は口先にまだ歯が残っていました。
ヒプシロフォドン
学名:Hypsilophodon foxii(ヒプシロフォドン・フォクシイ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 鳥盤目 鳥脚亜目 ヒプシロフォドン科
時代:中生代 白亜紀前期
体長:1.2m
発掘地:イギリス ワイト島
学名の意味:高いうねのある歯
原始的な鳥脚類
ヒプシロフォドンは、白亜紀前期(バレミアン~アプチアン:約1億2940万年前~約1億1300万年前)のヨーロッパにすんでいた植物食恐竜です。
最大体長2m、推定体重20kg、新鳥脚類のうちではもっとも原始的な仲間です。
学名のヒプシロフォドンは、ヒプシロフォス=高い畝(うね)のある、=ドン=歯の意で、ヒプシロフォスはイグアナの古い学名でもあります。
分類
鳥脚類の中では、ヒプシロフォドンの分類はここらへん。
原始的な鳥脚類
進化型の鳥脚類では口先の歯は退化して無くなっていますが、ヒプシロフォドンは上あごの口先にまだ歯が残っています。
ヒプシロフォドンの頭骨。矢印がまだ残っている歯。
ヒプシロフォドンの口先はクチバシになっており、上あごの口先には尖った歯、奥歯は木の葉型の歯で、植物をザクザク切り刻んで食べることができました。
ゴリゴリすりつぶす歯や、デンタルバッテリー(予備の歯)は持っていません。
上記の画像では復元されていませんが、眼窩を横切る眼瞼骨(がんけんこつ)があったので、目つきは悪かったと思う。
頭骨は上から見ると三角形で、口先が細くなっています。
眼窩(がんか:目の穴)が大きいのも特徴です。
ヒプシロフォドンの頭骨、正面顔。
眼窩は、ほぼ顔の横ヅラに付いていますが、口先が細いので正面からも眼窩が見えます。
横だけでなく正面も良く見えたのでしょう。
ヒプシロフォドンは体の割りに長い後肢を持っていて、逃げ足も速かったと考えられています。
敵をいち早く見つける大きな目と、逃げ足が武器。
ヒプシロフォドンの前肢は5本指です。
薬指と小指は退化して小さくなっていますが、親指は他の指と向かい合うようになっていて、手で物をつかむことができたようです。