カムイサウルス(むかわ竜)
カムイサウルスは白亜紀後期の日本にすんでいたハロドサウルス類(カモノハシ竜)です。
北海道むかわ町で見つかったことから愛称「むかわ竜」と呼ばれていましたが、新種であることが判明し、2019年9月5日に新しい学名「カムイサウルス・ジャポニクス」と命名されました。
もくじ
カムイサウルス
学名:Kamuysaurus japonicus(カムイサウルス・ジャポニクス)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 鳥盤目 鳥脚亜目 ハドロサウルス科
時代:中生代 白亜紀後期
体長:8m
発掘地:北海道 むかわ町 穂別
学名の意味:カムイ(アイヌ語で神や自然霊)のトカゲ
むかわ竜からカムイサウルスへ
カムイサウルスは、白亜紀後期(カンパニアン:約8360万年前~約7210万年前)の日本にすんでいたハドロサウルス類(カモノハシ竜)の仲間です。
2003年に北海道むかわ町で発見され、「むかわ竜」と呼ばれていましたが、2019年にハドロサウルス類の新属新種であることが判明し、カムイサウルス・ジャポニクスという学名が付けられました。
カムイサウルス、学名の意味は?
サムイサウルス・ジャポニクスの「カムイ」はアイヌ語で神様、精霊、自然霊という意味。
サウルス=トカゲ、ジャポニクス=日本のもの、日本の神の竜という意味になります。
大きさはどのくらい?
カムイサウルスは体長8m、推定体重4t~5.3t。
ヒトと比べるとこれくらい。大きい!。
一個体の全身の60~80%が見つかった状態で組み立てられた化石としては日本最大の恐竜です。
発見から10年以上ほったらかし
カムイサウルス(むかわ竜)は、2003年、北海道むかわ町穂別の化石愛好家が発見。この時はつながった状態の部分的な骨だけが発見されていました。
この骨は博物館に寄贈され、恐竜ではなくクビナガリュウの尻尾の骨と判断され、研究の順番待ちで10年間放置されていました。
2013年に化石のクリーニングの結果、恐竜の骨であることがわかり、残りの化石を発掘した結果、2014年までに全身の約60%~80%が見つかりました。
2016年に一個体分の全身化石としては日本最大であることがわかり、「むかわ竜」という愛称がつけられました。
2019年4月に全身の化石が組み立てられ、体長8m、推定体重4t~5.3t、推定年齢9歳以上の個体であることがわかりました。
同年、9月5日、むかわ竜は新種新属であるとして、カムイサウルス・ジャポニクス(Kamuysaurus japonicus)という学名が発表されました。
ハドロサウルス類の特徴
カムイサウルスの含まれるハドロサウルスの仲間の口の先は、平たく横に広がっていて、カモのクチバシのようです。
カモのクチバシみたいだから別名「カモノハシ竜」とも呼ばれるのです。
オロロティタンの頭骨。
口先はクチバシになっていて口先にが歯が無く、奥歯がたくさん生えています。
奥歯はデンタルバッテリーと呼ばれる予備の歯が準備されていて、硬い植物を食べて磨り減っても次々に生え変わります。
サウロロフスの頭骨。
ハドロサウルス類のデンタルバッテリーは、一つの歯槽に縦に3本並んで生えていて、磨り減っても下から新しい歯が押し出されてきます。
奥歯は予備の歯を含めて多いものでは2000本も生えています。
カムイサウルスの歯も100本以上見つかっています。
クチバシで植物をちぎって口に入れ、奥歯で植物をゴリゴリすりつぶして食べていたので、植物がこぼれないようにほっぺたがついていました。
カムイサウルスの分類は?
カムイサウルスは、ハドロサウルス類(カモノハシ竜)の仲間のうち、進化したグループなのに目立つトサカを持たない「エドモントサウルス類(ハドロサウルス亜科 エドモントサウルス属)」に含まれます。
エドモントサウルス全身。カムイサウルスよりもウマヅラです。
エドモントサウルスの仲間は北アメリカにもアジアにもすんでいて、カムイサウルスは、北アメリカのブラキロフォサウルス、中国のケルベロサウルス、ライヤンゴサウルスに近い仲間ではないか、とされています。
どの種も、目立つトサカは持っていませんが、ブラキロフォサウルスはオデコに板を貼ったような平たいトサカを持ちます。鼻の穴が大きいので、派手な色のついた鼻袋をもっていたかもしれません。
カムイサウルスではトサカは見つかっていませんが、オデコには板かトサカが付いていたような段差の痕跡があります。
現在カムイサウルスの全身化石は、国立科学博物館(東京都)の「恐竜博2019」で10月14日まで展示されています。
どんな恐竜だったのか、実物に会ってじっくり観察してみよう!。
カムイサウルス鉛筆画動画
カムイサウルスの鉛筆画。Youtube動画です。