中生代

中生代 白亜紀はどんな時代?

中生代 白亜紀

白亜紀(はくあき)は、中生代の3つの「紀」の中で最後の時代。

恐竜類が絶滅した時代でもあります。

今から約1億4500万年~約6600万年前までの約7900万年間が白亜紀。

白亜紀という名前の由来は、フランスのこの時代の地層に白亜(チョーク)が多く含まれることから、白亜紀と呼ばれます。

白亜紀の大陸配置

白亜紀のちょうど真ん中頃(約9000万年前頃)の大陸配置です。



参照:ポプラディア図鑑 WONDA大昔の生きもの

大陸の分裂が進み、徐々に現代の陸地の形に近づいてきます。

イチイチ君
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アフリカや南アメリカの形がなんとなくわかりますね。

インドはマダガスカル島のお隣にある孤島で、現在のようにアジアにくっついていません。

約9000万年前頃(白亜紀の中頃、上記の地図の頃)は、最大で現在よりも海水面が100~200mも高かったため陸地は水没し、北アメリカは大陸中央部に広がる海「西部内陸海道」(ウエスタン・インテリア・シーウェイ、ウエスタン・インテリア・シー)で東西に分断していました。

イチイチ君
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モササウルスやアーケロン、ヘスペロルニス(鳥類)などがいたのはこの「西部内陸海道」です。

白亜紀の巨大ウミガメ、アーケロン。ヒレの差し渡しは5mもある。

アーケロン
アーケロン/Archelon

白亜紀末期にかけて気温が現在と同じくらいに下がると海水面は低くなり、「西部内陸海道」は狭くなり、東西は陸続きになります。

イチイチ君
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プテラノドンは「西部内陸海道」で現代の海鳥のような生活をしていた翼竜です。「西部内陸海道」が狭くなる白亜紀後期の中頃に絶滅しています。
プテラノドン、西部内陸海道を飛んだ大型翼竜

 

白亜紀の気温

白亜紀の約7900万年間、気温は約2000万年ごとに高低を繰り返し、気温が変わりやすい時代だったことが分かっています。

①白亜紀初期→ジュラ紀に引き続き気温は高く、極地に氷河はありませんでした。

②白亜紀前期の終わり頃(約1億2000万年頃)→オーストラリアあたりまで氷河が発達するほど気温は下降。

③白亜紀後期の初めごろ(約9000万年頃)→再び気温が上昇し、平均気温は現在よりも10℃以上高かったようです。

④白亜紀末期ごろ(約6600万年頃)→気温は現在と同じくらいに下がった、とされています。

ちなみに、白亜紀後期の始め(セノマニアン末:約9390万年前)、魚竜類が絶滅しています。

②の寒冷化と海水面の低下(陸地が広がる)で多くのグループが数を減らして衰退し、さらに③へ向けての気温上昇と、海水面が上昇することで起こる海洋無酸素事変によるWパンチで、トドメをさされて絶滅に至った、と考えることができます。

魚竜類は肺呼吸なので、海中に酸素が少なくても呼吸ができるじゃないか、と考えちゃいますが、魚竜類はエサであるアンモナイトやイカ、魚が死滅してしまうと生きていけないのです。

イチイチ君
イチイチ君
中生代 白亜紀の次の時代、新生代 古第三紀 暁新世には再び気温が上昇し、以降10数万年もの間、世界各地は熱帯雨林で覆われます。

白亜紀の植物

植物界では、被子植物が初めて現れる、という大事件がおきました。

白亜紀初期、植物界のニュータイプ、被子植物(ひししょくぶつ)が登場したのです。

シダ植物は胞子で増え、裸子植物は子房に覆われていない種子で増えます。

被子植物は、種子が子房(果実)で覆われていて、果実を囮(おとり)に昆虫や哺乳類などを繁殖に利用するという斬新なスタイル。

イチイチ君
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花は子房を作るための繁殖器官です。

現れたばかりの被子植物は、まだ花びらを持っていませんでした。

白亜紀前期の被子植物、アーケオフルクトゥス。


アーケオフルクトゥスは花びらは持っていませんでしたが、はじめて果実を実らせた被子植物です。

赤い丸がめしべ(果実)で、白い丸がおしべ。

成長に何十年もかかる裸子植物(らししょくぶつ)と比べて、被子植物は短期間で成長し、とっとと枯れます。

被子植物は短命ですが、昆虫、鳥類、哺乳類を利用して広範囲に果実(種子)をばらまくという繁殖方法で世界中に一気に広まりました。

植物食恐竜も新しい植物への対応に追われたようです。

ジュラ紀に繁栄したブラキオサウルスやディプロドクスなどの首の長い竜脚類はほとんどの大陸で衰退し、低い位置に生える地面の植物を食べられるように進化した恐竜が繁栄しました。

白亜紀に繁栄した恐竜類が、首が短くて姿勢が低いのは、地面に生える被子植物を食べやすいから。

被子植物は成長サイクルが短く、食べても食べても同じ場所にまた生えてきます。

被子植物を利用できることは、生きていく上で有利だったのでしょう。

多様化した恐竜類

白亜紀は、分裂した大陸で独自の生物が進化し、海水面が一時的に下がると陸を伝って移動し、を繰り返すことができた時代です。

なので、白亜紀には変わった恐竜が多いです。

鎧で武装した恐竜、鎧竜類(よろいりゅうるい)。ユーオプロケファルス。

ハドロサウルス類(カモノハシ竜類)の仲間も白亜紀に繁栄。パラサウロロフス。

何をどう食っていたのかよくわからないオビラプトル。

肉食恐竜は見かけはジュラ紀とあんまり変わっていませんが、視覚(しかく)や嗅覚(きゅうかく)が発達した種類が多くなっていたようです。

恐竜が多様化していろんな種類の恐竜がいたため、見かけやニオイでおいしい獲物を選んでいたのかもしれません。

嗅覚が発達していたティラノサウルス。

中生代の終焉、白亜紀末の大量絶滅

中生代 白亜紀末、約6600万年前。

もっともよく知られている大量絶滅「白亜紀末の大量絶滅」が起こり、恐竜類、翼竜類、海にすむ爬虫類、アンモナイトなど、全生物の約45%の生物グループ(属)が絶滅しました。

45%の属が絶滅(科単位では約11%)という割合は、過去に何度か発生した大量絶滅の中では少ない方ですが、もっとも短期間のうちにこれほど多くの生物が死に絶えたという点ではかなり特異です。

「白亜紀末の大量絶滅」よりも大規模な絶滅がいくつもあるのですが、白亜紀末の大量絶滅が注目されるのは『絶滅のスピード』です。

数百万年、数万年かけて発生した他の大量絶滅とは違い、地層の前後で生物層がまったく変わってしまうほどの短期間で起こったのが「白亜紀末の大量絶滅」です。

白亜紀末の大量絶滅の原因

「白亜紀末の大量絶滅」の原因は長い間ナゾでした。

現在では、約6600万年前にメキシコのユカタン半島に落ちた小惑星(隕石)が白亜紀末の大絶滅の原因の一つである、とされています。

ユカタン半島に、チチュルブクレーターと呼ばれる直径160kmの円形のクレータが見つかっており、クレーターの大きさから、隕石の直径は少なくとも10kmはあったと推測されています。

10km級の小惑星が陸地に衝突すると、マグニチュード11クラスの巨大地震や、高さ300mを超す津波が起こると推測されています。

2013年2月15日にロシアのチェリャビンスクで爆発した小惑星の直径は15mほど。

地表には激突せず上空で爆発しましたが、爆発の衝撃波だけで、4000棟の家屋が壊れ、負傷者がたくさん出ました。

白亜紀末の隕石の直径はチェリャビンスクの10倍以上で、かつ、地表に激突しているので、地震、津波、噴火など、地球規模の大災害が発生した、と考えられています。

イチイチ君
イチイチ君
小惑星が海に落ちていれば恐竜類は絶滅しなかった、とする説がありますが、そうなると人類はいなかったかも・・。

小惑星衝突によって舞い上がった大量の塵(土砂)で太陽光が遮られて気温が下がり、植物が枯れ、植物食の生物が絶滅、肉食の生物も絶滅した、というのが、一般的には絶滅の原因だとされています。

個人的な意見ですが、上記のようなおおざっぱな理由だけではなく、

大量の塵が酸性雨となって降り注ぐなど、食物連鎖の基礎となるプランクトンなどの微生物が大量に死滅し、地球規模で食物連鎖が一時的に(ある程度の期間)崩れた、というのが「白亜紀末の大絶滅」の原因ではないかと思っています。

イチイチ君
イチイチ君
当時の哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類もノーダメージではなく、白亜紀末の大量絶滅で多くの種類が絶滅し大激減しています。

崩れた食物連鎖のピラミッドの中で、底辺にも頂点にも行ける動物(雑食性や共食いする生物)や、食物連鎖の影響を受けにくい小型動物や深海生物などが生き残りやすかったのかもしれません。

また、当時のユカタン半島の裏側に位置したニュージランド周辺では、中生代と新生代の生物層の入れ替わりが(北アメリカに比べて)緩やかだった、とする説もあるので、小惑星衝突の影響が少ない地域があったのかもしれません。

白亜紀を最後に中生代は終わり、新生代が始まります。新生代は別名「哺乳類の時代」とも呼ばれ、現在まで続いています。


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