エンテロドン
エンテロドンは、古第三紀の北アメリカやアジアにすんでいた偶蹄類の仲間です。
イノシシによく似た姿ですが、偶蹄類の中の絶滅グループ「エンテロドン科」の仲間です。
エンテロドン(頭骨)
学名:Entelodon sp.(エンテロドンの一種)
分類:哺乳網 鯨偶蹄目 猪豚亜目 エンテロドン科
時代:新生代 古第三紀 始新世後期~漸新世後期
体長:1.5~1.8m
発掘地:北アメリカ、ヨーロッパ、アジア
学名の意味:完全な歯
エンテロドン
エンテロドンは 古第三紀 始新世後期~漸新世後期(3780万年前~2303万年前)の北半球にすんでいた偶蹄類です。
イノシシによく似た姿ですが、イノシシ(イノシシ科)とは別グループ。
イノシシやブタ、ペッカリーの含まれるグループ猪豚類(ちょとんるい)に近縁の絶滅グループ「エンテロドン科」の仲間です。
体長1.5~1.8mほどで、ヒトと比べるとこれくらい。
現生のイノシシと同じくらいの大きさです。
エンテロドン科の仲間の頭骨は非常にユニークで、目の下の骨が横下に大きく突き出しており、アゴ下にも2対の突起があります。
こちらは現生のイボイノシシ(イノシシ科)。
猪豚類は大きな顔を生かして顔面を派手にするのが得意なようです。
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エンテロドンの頭骨。
頭骨の長さは60cmほどで、長く延びた口先の幅はとても狭く、口先には肉食動物のような大きな牙が生えています。
完全な肉食性だったという説もありますが、牙も奥歯も先端がするどくないこと、歯が磨り減っていることから、現生のイノシシのような雑食性だった、という説が有力です。
エンテロドン科の仲間は、古第三紀 中新世中期頃(約1597万年前~約1163万年前)には絶滅しています。
絶滅した理由は、ヨーロッパやアジアでイノシシ科、北アメリカではペッカリー科との競合に敗れたのではないか、とされています。