そこらへんの変ないきもの 新生代の生物

コウガイビル/Bipalium

コウガイビルは、海にすむヒラムシや、淡水にすむプラナリア(ヒラムシ)の親戚で、森林にすみます。

名前に「ヒル」と付きますが、吸血するヒルとは関係のない別の動物です。

見た目はこんなナリですが、ナメクジやカタツムリを食べてくれます。


クロイロコウガイビル
学名:Bipalium fuscatum
英名:Land Planaria
分類:扁形動物門 ウズムシ綱 ウズムシ目 コウガイビル亜目 コウガイビル科
体長:10cm
生息地:本州

プラナリアの親戚

コウガイビルは、ミミズとヒルとナメクジを足してたたき伸ばしたような姿をしたヘンテコ生物です。

関東などでは植木鉢の下やしめった路上にいるようですが、本来は森林にすんでいるのであまり見ることはありません。

海外には数百種類のコウガイビルがいますが、日本には3種がすんでいます。

黒い色のクロイロコウガイビル、
黒くて背中に一本線のあるクロスジコウガイビル、
黄色くて黒の3本線があるミスジコウガイビル

です。

ミスジコウガイビルは1mにもなりますが、クロイロコウガイビルは5~10cmくらいです。

海にすむヒラムシや池にすむプラナリア(ウズムシ)の親戚で、陸にすむのがコウガイビル。

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コウガイビルのコウガイとは

コウガイビルは、姿が笄(コウガイ)に似ているところからコウガイビルと呼ばれます。

コウガイとは、近代では日本髪を結った女性が使うカンザシみたいな髪留めのことですが、本来は日本髪を整える時の道具で、女性は結った髪に刺して持ち歩き、帯刀する武士は日本刀(太刀)の柄に刺して持ち歩き、曲げを整えるために使っていました。

近代の髪留め用のコウガイがこれ。

刀の柄に差して持ち歩くタイプのコウガイがこっち。

コウガイに似ているからコウガイビル。

毒はないし、吸血もしない

コウガイビル、見た目はこんななりですが、ナメクジ、カタツムリ、ミミズを食べてくれるいいヤツ。

吸血しませんし毒もありません。

触っても平気なのですが、コウガイビルがエサにしているカタツムリには広東住血線虫の宿主になっているものもいるので、不安であればさわった手で目や鼻をこすらない、すぐに石鹸で手を洗ってよく乾かせばよいのです。

素手でさわるとニッチョリネッチョリ粘着力がすごいので、感触はキモチワルイ。

動きがゆっくりな動物なので、軍手などで触ると、くっついてなかなかどいてくれません。

プラナリアの親戚なのでコウガイビルも再生能力が高く、切っても再生しますが、イジメて切ったりしないようにしましょう。

親戚のヒラムシや、海外のコウガイビルにはテトロドトキシンを持つものがいて、口に入ったら死にます。

イチイチ君
イチイチ君
テトロドトキシンはフグの持つ毒の成分です。日本のコウガイビルは鳥が平気で食べているので有毒ではないようですが、念のため。

庭や公園にいることはほぼありませんが、見つけてもそのままにしておけばよいです。

コウガイビルがいるだけでナメクジ、カタツムリがよりつきません。

ナメクジ除けの御札みたいなもんです。


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