新生代の生物 絶滅哺乳類

メリコイドドン、原始的な絶滅偶蹄類

メリコイドドンは、約3100万年ほど前の北アメリカにすんでいた哺乳類です。

体長1mほどのヒツジサイズの偶蹄類で、たくさんの化石が見つかっています。

鯨偶蹄目のうちの絶滅グループ、オレオドン科の仲間です。

メリコイドドン
メリコイドドン
分類:哺乳網 鯨偶蹄目 反芻類 オレオドン科(メリコイドドン科)
学名:Merycoidodon gracilis(メリコイドドン・グラキリス)
体長:1m
時代:新生代 古第三紀 始新世後期~漸新世前期
生息地:北アメリカ サウスダコタ州

ヒツジサイズの絶滅偶蹄類

メリコイドドンは、新生代 古第三紀 始新世後期~古第三紀 漸新世前期(約3100万年~約3500万年前)頃の北アメリカにすんでいた哺乳類です。

同時はポピュラーな植物食動物だったようで、サウスダゴタ州のバッドランド(荒地)からたくさんの化石が見つかっています。

体長1mほどのヒツジサイズの偶蹄類で、疎林や草原にすんでいたとされ、歯は丈が低く(低冠歯:ていかんし)で、すり減りに対応していません。

地面の草よりも木の葉を好んだのかもしれません。

メリコイドドン

メリコイドドンの分類

メリコイドドンは、鯨偶蹄目(偶蹄類)のうち、絶滅したグループ「オレオドン科(メリコイドドン科)」に含まれています。

「オレオドン科」は、以前は猪豚亜目(イノシシの仲間)に近いグループとされていました。

現在では、現生の偶蹄類に近い仲間はおらず、子孫を残さずに滅んだグループと考えられています。

学名のメリコイドドンとは『反芻(はんすう)する歯』の意です。

分類的には反芻類(反芻する偶蹄類)と共通の祖先から枝分かれしているので反芻類に含まれていますが、実際に反芻したかどうかはわかっていません。

イチイチ君
イチイチ君
反芻(はんすう)とは、一度飲み込んだ植物を吐き戻して噛みなおし、再度飲み込む行動です。
現生では、ウシ、キリン、シカなどが反芻します。同じ偶蹄類でもカバやイノシシは反芻しません。
ラクダは反芻しますが、他の反芻類が持っているような複雑な胃を持たない原始的な反芻類です。

メリコイドドンの化石

メリコイドドンの化石です。

前足を枕にして丸まった状態のまま化石となっているので、イノシシやヒツジよりも柔軟な体だったようです。
メリコイドドン

胴が長く短い脚。前肢は5本指、後肢は4本指です。尻尾は胴と同じくらい長いです。

メリコイドドンの頭骨。口には小さい牙(犬歯)があります。

メリコイドドン

牙は当時の偶蹄類の流行だったようで、やがて流行は牙から角にシフトしていきます。

家族と思われる化石

こちらもメリコイドドンの化石です。
メリコイドドン
大きい2匹は成体、右端下の細かいのは生まれてまもない幼体4匹です。

オス、メスとその子供とすれば親子か、もしかしたら群れの仲間なのかもしれません。

何か理由があって逃げるまもなく埋まったのでしょう。


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