ネオヴェナトル(ネオベナートル)は、白亜紀前期のイギリスにすんでいた肉食恐竜です。
アロサウルスに近い仲間(アロサウルス上科)、ネオヴェナトル科の仲間です。
日本で見つかったフクイラプトルもネオヴェナトルに近縁です。
ネオヴェナトル(ネオベナートル)
学名:Neovenator salerii(ネオヴェナトル・サレリイ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 獣脚亜目 ネオヴェナトル科
時代:中生代 白亜紀前期
体長:7m
発掘地:イギリス ワイト島
学名の意味:新しい狩人
フクイラプトルに近縁
ネオヴェナトルは、白亜紀前期の中頃(バレミアン:約1億2940万年前~約1億2500万年前)のイギリスにすんでいた肉食恐竜です。
体長7m、推定体重400kg~900kg、全身の約70%が見つかっています。
アロサウルスに近いグループ「ネオヴェナトル科」に含まれていて、ネオヴェナトル科にはフクイラプトルも含まれます。
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どんな恐竜だった?
活動的な狩人
ネオヴェナトルの頭骨です。わりとペッタンコな顔。
口先に行くにつれ左右に幅の無いペッタンコな顔はアロサウルスに近い仲間(アロサウルス上科)の特徴の一つです。
前肢は長く、湾曲したカギ爪がご立派です。獲物を狩る時に使ったのでしょう。
ケガの痕跡
ネオヴェナトル、アクティブなポーズで復元されています。
実際に活動的な動物だったようで、後ろ足の中指の末節骨(まっせつこつ:爪の骨)が変形して丸くなっています。
ケガか病気で変形し、くっついたような痕跡は尻尾の骨と肋骨にもあります。
白丸で囲った分部、爪の骨が変形。
脳からわかる活発さ
アロサウルスの脳の研究から、脳はあまり大きくなかったこと、
視蓋(しがい:中脳にある視覚にかかわる情報を処理する場所)があまり発達しておらず、視蓋の発達した鳥類よりも、ワニ類に近い脳であったことがわかっています。
体の平衡感覚と関連する三半規管が発達していることから、巨体のわりに活動的だったと推測されています。
ネオヴェナトルの頭骨をCTスキャンして型を取ったもの。
CTスキャンの結果、神経や血管の通り道(黄色の部分)がたくさんあることが分かり、口周りの感覚が鋭かったことがわかりました。
口周りの感覚が鋭かったのは、獲物を食いちぎる時の感覚を伝えるほか、鼻ヅラをこすり合わせて仲間同士のコミュニケーションを取るような行動に関係しているのではないか、とされています。
生きたネオヴェナトルやアロサウルスに出会った際は、鼻ヅラをなでると喜ぶかもしれません。
ネオヴェナトル描いてみた
ネオヴェナトルを描いてみました。活動的とのことで戦うネオベナトル。
左右に薄い顔ですが、上下の丈はそこそこあり、目の上にある三角形のトサカのような突起は、鼻先まで続いています。