マクロスポンディルス(旧ステネオサウルス)は、前期ジュラ紀から前期白亜紀の海にすんでいた海生爬虫類です。
現生のワニと共通の祖先を持ちますが、現生のワニが現れるよりもずっと古い時代に枝分かれして絶滅した仲間で、現生のワニの祖先ではありません。
マクロスポンディルス
学名:Macrospondylus bollensis(マクロスポンディルス・ボレンシス)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 ワニ形上目 ワニ目 タラットスキア亜目 テレオサウルス上科
時代:中生代 前期ジュラ紀
体長:1.5m
発掘地:ドイツ ホルツマーデン
学名の意味:長い背骨
海で暮らしたワニの親戚
マクロスポンディルスは、前期ジュラ紀の終わり頃(トアルシアン:約1億8270万年前~約1億7410万年前)、ヨーロッパ周辺の海にすんでいたワニ目の絶滅グループ「タラットスキア亜目」の仲間です。
マクロスポンディルスの含まれるタラットスキア亜目は、現生のワニが現れるよりも前に枝分かれして絶滅したワニ目のグループで、現生のワニと祖先は同じですが、現生のワニの祖先ではありません。
ワニよりもずっと水中生活に適応した体をしていますが、四肢はヒレになっていないことから、陸に上がることもできた半水生だった、という説もあります。
マクロスポンディルスの胴体。
前肢が後肢に比べてとても短いのは、胴をくねらせて泳ぐときにジャマにならないため。
前肢を体にピッタリ引き寄せて、胴と尾をくねらせて泳いでいたのでしょう。
淡水域ではなく、海岸や河口にすんでいたようで、化石の周辺には二枚貝やアンモナイトも一緒に埋まっています。
お腹のあたりにバラバラ散らばっている、ブツブツのある四角いのはマクロスポンディルス装甲版。
ワニの背中にある装甲板と同じ骨質の板です。首にも装甲があり、見た目はワニのようにゴツゴツしていたのかもしれません。
マクロスポンディルスの頭骨です。
長くて幅の狭いアゴなのは、水中で口を素早く閉じるため。魚やイカなどの素早く動く物を捕食していたと考えられています。