オリゴキフス
オリゴキフスはジュラ紀前期のヨーロッパや北アメリカなどにすんでいた単弓類です。
キノドン類としては最後の仲間で、体の真下に伸びた脚や「げっ歯類」に似た歯を持っていて、以前は哺乳類に分類されていました。
オリゴキフス
学名:Olygokyphus sp.(オリゴキフスの一種)
分類:単弓綱 獣弓目 キノドン亜目 トリティロドン科
時代:中生代 ジュラ紀前期
体長:40cm
発掘地:イギリス、ドイツ、北アメリカ、中国など
学名の意味:小さいコブ
かじる歯で何をかじったの
オリゴキフスはジュラ紀前期のヨーロッパや北アメリカ、中国にすんでいた単弓類です。
オリゴキフスの含まれるトリティロドン類は、キノドン類(獣弓目 キノドン亜目)としては最後の仲間で、地中に穴を掘ってすんでいた植物食動物、とされています。
胴の真下に脚が伸び、「げっ歯類(ネズミ目)」に似た歯を持ちます。
体長は約40cmでネコくらいの大きさですが、もっと脚が短く丈が低いです。
ヒトと比べるとこれくらい。
歯は「げっ歯類(ネズミ目)」や多丘歯類(たきゅうしるい)に似ていて、前歯が大きく、前歯と奥歯の間に歯の無いスペース(歯隙)があり、かじった植物のカスをポイポイ捨てやすくなっています。
ネズミのように植物の種や果実、木の実をかじったのかなーと思いますが、
オリゴキフスの生きていたジュラ紀前期には、花を咲かせて果実(種)が実る植物(被子植物)がまだ現れていませんでした。
オリゴキフスは、裸子植物の球果(きゅうか:まつぼっくりなど)をかじっていたのかもしれません。
果実をつけた最古の植物「アーケオフルクトゥス」は、ジュラ紀末期から白亜紀前期頃に現れます。
研究者によっては三畳紀には被子植物が現れていたとする説もありますが、世界中で被子植物の化石が現れるのは白亜紀になってからです。
アーケオフルクトゥス(白亜紀前期)の復元模型です。
アーケオフルクトゥスは最古の被子植物で、水辺に生え、花びらは持ちませんが雄しべと雌しべを持ち果実をつけます。赤い丸がめしべ(果実)で、白い丸がおしべ。