恐竜・獣脚亜目 中生代の生物

カウディプテリクス、原始的なオヴィラプトロサウルス類だった尾羽鳥

カウディプテリクスは白亜紀前期の中国にすんでいた羽毛恐竜です。

オヴィラプトル(オヴィラプトル科)やギガントラプトル(カエナグナトゥス科)などが含まれるグループ「オヴィラプトロサウルス類」に含まれます。


カウディプテリクス
学名:Caudipteryx zoui(カウディプテリクス・ゾウイ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱恐竜上目 竜盤目 獣脚亜目 オヴィラプトロサウルス類 カウディプテリクス科
時代:中生代 白亜紀前期
体長:約90cm
発掘地:中国 遼寧省
学名の意味:尻尾の翼(カウディ=尻尾の、プテリクス=翼)

尻尾に羽根

カウディプテリクスは白亜紀前期の中頃(バレミアン:約1億2940万年前~約1億2500万年前)の中国にすんでいた羽毛恐竜ですです。

福井県立恐竜博物館のカウディプテリクス復元模型です。

体長90cm、推定体重2.5kg~9kg。

ヒトと比べるとこれくらい。

学名の由来

カウディプテリクスという学名の意味は、尻尾に羽があることから、カウディ=尻尾の、プテリクス=翼です。

前肢と尻尾に羽毛の痕跡の残った化石が発見されていて、中国語では「尾羽鳥」と呼ばれます。

イチイチ君
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ラテン語で、プテリスは「羽」、羽の集まったものがプテリクス=「翼」です。~プテリスや~プテリクスという学名は、羽のような葉っぱを持つ植物にもよく使われています。

カウディプテリクスの分類

カウディプテリクスの最初の化石は1997年に中国で発見され、当時は飛ばなくなった鳥類とされていました。(尾羽鳥という名前も、当時は鳥類とされていたため。)

現在は、オヴィラプトロサウルス類 カウディプテリクス科に含まれています。

オヴィラプトロサウルス類の分類はここらへん。
獣脚類の系統図

オヴィラプトロサウルス類の中の「カウディプテリクス科」にはカウディプテリクスのみが含まれていて、オヴィラプトル科(オヴィラプトルなど)、カエナグナトゥス科(ギガントラプトルなど)よりも原始的な系統に含まれます。

イチイチ君
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研究者によっては、オヴィラプトロサウルス類にテリジノサウルス類を含む場合もあります。

鳥類のような特殊化

全身の化石

カウディプテリクス(Caudipteryx zoui)の化石。



頭骨が前後に寸詰まり、首が短い、前肢が短い、胴体が短い、尻尾も短いです。

鳥類のようにあちこちコンパクトになっていますが、後肢は太くてガッシリしていて、太ももの骨が短く、ヒザから下のスネの骨の方がとても長くなっています。

イチイチ君
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首と尻尾がもう少し短い個体の化石も見つかっています。

2000年には同属別種のカウディプテリクス・ドンギ(Caudipteryx dongi)が発表されています。

頭骨の化石と歯

カウディプテリクスの頭骨です。

前後に寸詰まりで眼窩は大きく、眼窩から後ろの後頭部の方が、眼窩から前よりも長くなっています。

イチイチ君
イチイチ君
顔面の前部が寸詰まりで、眼窩から後ろの方が長いのはオビラプトロサウルス類に共通する特徴の一つです。

カウディプテリクスのクチバシの拡大。

口先はクチバシですが、上あごの先端には小さい歯が残っています。


白丸の中にある小さい歯が見えるかな?。

胴体の化石と前肢

カウディプテリクスの胴体の拡大。

胃のあたりにあるブツブツは胃石(いせき)です。小石がいっぱい。

胃石とは、食べた植物の消化を助けるために飲みこむ石で、植物食の証拠とされます。
竜脚類や角竜類などの一部の種類の化石から胃石が見つかっています。

現生ではワニやダチョウなども石を飲み込みます。

イチイチ君
イチイチ君
ワニは水中で浮いたり沈んだりするための重り(バラスト)にするために石を飲みます。

前肢は短く、羽軸がある左右対称の羽の痕跡が残った化石が見つかっています。前肢の指は細長い三本指で、爪は湾曲が浅くて小さめです。

左右非対称の飛ぶ用の羽ではないことと、前肢が短いことから翼はあっても飛ぶことはできなかったと考えられています。

後肢は4本指

カウディプテリクスの後肢。けっこうガッシリした後肢です。

後肢の指は4本で、第一指(親指)は後ろ向き、後肢の爪は湾曲が浅く小さめです。

樹上性の鳥のような湾曲した鋭い爪ではなく、走るためのスパイク用の爪ほど大きくはありません。
地上で暮らし、歩いてエサを探すような生活をしていたのかもしれません。


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