ネクロレムールは、新生代 古第三紀の西ヨーロッパにすんでいた原始的なサルの仲間です。
現生のメガネザル科の祖先グループにあたる「オモミス科」という絶滅グループに含まれています。
化石は現生のメガネザルよりもキツネザルに少し似ています。
ネクロレムール
学名:Necrolemur antiquus(ネクロレムール アンティクウス)
分類:哺乳綱 サル目 直鼻亜目 メガネザル型下目 オモミス科
時代:新生代 古第三紀 中期始新世
体長:頭胴長25cm
発掘地:フランス ロピアック
学名の意味:死のキツネザル
メガネザル科の祖先系統
ネクロレムールは、新生代 古第三紀 中期始新世(約4120万年前~約3780万年前)のフランスにすんでいた原始的なサルです。
頭胴長約25cmほど。
ヒトと比べるとこれくらい。
わりとちっちゃいです。
死のキツネザル
ネクロレムールという学名の意味は「死のキツネザル」。ネクロ=死、レムール=幽霊、キツネザル。
「レムール(lemur)」はラテン語で幽霊という意味で、ローマ神話にはレムレスという悪霊が登場します。
また、夜行性のキツネザルの仲間が、樹上から大きな目玉を光らせてじっと見下す姿や鳴き声が幽霊を連想させるため、レムールは「キツネザル」の意味でも使われます。
↓ワオキツネザル。
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絶滅グループ、オモミス科
ネクロレムールは、現生のメガネザル科の祖先グループにあたる「オモミス科」という絶滅グループに含まれています。
前を向いた大きな目を持ち、両目の間が狭く、鼻ヅラが短いです。ここらへんは現生のメガネザルと同じ特徴です。
ネクロレムールは、夜行性で樹上で暮らしていたと考えられていますが、現生のメガネザルよりは活動的だったのかもしれません。
学名はキツネザルなのにメガネザルの祖先
ネクロレムールは、学名の意味は『キツネザル』で化石もキツネザルに似ていますが、キツネザルの系統よりもメガネザルの祖先に近い仲間です。
↓メガネザルの一種。
photo by :pixabay
現生のメガネザルの仲間はずんぐりむっくりで二等身ですが、ネクロレムールとはまったく似ていませんね。
元々はネクロレムールのようなキツネザルっぽい姿で、何らかの理由で頭の大きいドラえもんのような体形に変化していったのでしょう。