アンボンドロ
アンボンドロは、中生代 ジュラ紀中期のマダガスカルにすんでいた哺乳類です。
体長は推定6cmほどで、下あごの一部しか見つかっていませんが、
現生の哺乳類の単孔類(カモノハシ、ハリモグラ、ミユビハリモグラ)の起源が分かるきっかけになった動物です。
アンボンドロ
学名:Ambondro mahabo(アンボンドロ・マハボ)
分類:哺乳綱 南楔歯類 科未定
時代:中生代 ジュラ紀中期
体長:6cm
発掘地:マダガスカル
学名の意味:アンボンドロ村(化石産地の村名)
単孔類の起源が判明
アンボンドロは、今まで起源の分からなかった単孔類(カモノハシ、ハリモグラ、ミユビハリモグラ)の最も古い祖先です。
有袋類も真獣類も、子どもを生んで母乳で育てますが、単孔類は、子どもを卵で産んで、母乳で育てるというちょっと変わった哺乳類です。
現生のハリモグラ。卵を産む哺乳類、単孔類の仲間。
単孔類は、有袋類(カンガルー、コアラなど)や真獣類(ライオンやヒトなど)が分岐する少し前に分岐した原始的な哺乳類であると考えられていました。
しかし、アンボンドロの発見により、単孔類は、現生の哺乳類のうち、有袋類(カンガルー、コアラなど)&真獣類(ライオンやヒトなど)の共通の祖先とは別系統のグループであることがわかりました。
少し難しいので、簡単に説明しますと、
むかーし、昔、
有袋類と真獣類が共通の祖先から分岐する(中生代白亜紀前期)よりもずっと前、
中生代ジュラ紀の南半球で繁栄した「南楔歯類(なんきっしるい)」と呼ばれるグループがいました。
「南楔歯類」の特徴は、一噛みで切り刻みとすりつぶしの両方ができる、とってもお得な奥歯(臼歯)を持っていることでした。
アンボンドロ、お得な奥歯でミミズと戦う。
のちに現れる有袋類と真獣類はすべて「トリボスフェニック型臼歯」と呼ばれる哺乳類独特の臼歯を持っていますが、「南楔歯類」は、まったく同じ機能の歯を、一足お先に獲得したグループだったのです。
「トリボスフェニック型臼歯」は、有袋類&真獣類の共通する祖先から受け継いだもので、
「南楔歯類」の持つ臼歯とは(役割はいっしょでも)つくりが違うので、有袋類&真獣類の共通の祖先とは別系統のグループから受け継いだものである、というわけです。
単孔類の化石種が、最古の南楔歯類であるアンボンドロと同じつくりの奥歯を持っていたことから、
アンボンドロは、「南楔歯類」のもっとも古い仲間、単孔類は「南楔歯類」の系統の生き残りだとわかりました。
アンボンドロ、ミミズにアッーーーーーー!!!。
しかしすごいもんです。
単孔類であるカモノハシ、ハリモグラ、ミユビハリモグラは、アロサウルスやステゴサウルスがいた時代(中生代 ジュラ紀)に生きていた哺乳類の生き残り系統なんですから。