新生代の生物 絶滅哺乳類

ウインタテリウム、大きな牙と6本の角を持つ大型植物食哺乳類

ウインタテリウム

ウインタテリウムは、新生代 古第三紀 始新世中期(4130万年前~3780万年前)に北アメリカとアジアにすんでいた大型の植物食動物です。

体長3m、サイぐらいの大きさで、頭には6本の角、口にはサーベルタイガーのような大きな牙を持っています。

絶滅した哺乳類グループ、「恐角目(きょうかくもく)」に分類されます。


ウインタテリウム
分類:哺乳網 恐角目 ウインタテリウム科
学名:Uintatherium anceps(ウインタテリウム・アンセプス)
体長:3m(肩までの高さ1.6m)
時代:新生代 古第三紀 始新世中期(4130万年前~3780万年前)
分布:北アメリカ モンタナ州
学名の意味:ウインタ(地名)のケモノ

恐角目について

ウインタテリウムは、古第三紀 始新世中期(4130万年前~3780万年前)に、北アメリカとアジアにすんでいた大型の植物食動物です。

絶滅した哺乳類グループ、「恐角目(きょうかくもく)」に分類されます。

「恐角目」は名前の通り、恐ろしげな角や突起を持つ大型植物食動物のグループで、上あごの牙がサーベルタイガーのように長く伸びているのが特徴です。



「恐角目」は古第三紀 暁新世後期(5800万年前)に現われ、古第三紀 始新世後期(3780万年前)には絶滅したグループです。

「恐角目」は、ヒヅメを持った原始的な動物グループ「顆節目(かせつもく)」から進化したのではないか、とされていますが、現生の哺乳類にも絶滅した哺乳類グループにも近縁の種はおらず、子孫を残さずにさっさと絶滅してしまったため、はっきりしたことはわかっていません。

ウインタテリウム

ウインタテリウムの頭骨です。



大きくて長い顔には3対(計6本)の角状の突起があります。

角状の突起は、鼻先、鼻筋、目の上にあります。鼻先の突起がいちばん小さいです。

ウインタテリウムの角は、ウシやヤギの角のように角質のサヤに覆われていたのではなく、キリンの角のように皮膚が被っていました。



上あごの牙は長く伸び、下あごには牙を保護するためのでっぱりがあります。

オスの方が牙が長かったようなので、牙の立派なオスがモテたのでしょう。



イチイチ君
イチイチ君
現生の哺乳類には、「大きな牙を持つ種類は角が無いか目立たない」、
「大きな角を持つ種類は牙が目立たない」、という法則があります。
大きな牙も目立つ角も両方持っている点で、ウインタテリウムは変わっています。

ウインタテリウムは上あごに前歯が無く、下あごの前歯も小さくなっていました。


このスキマからキリンのように長い舌を出し入れして、植物を巻き取って食べていたのではないか、と考えられています。


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