アデロバシレウスヤは、三畳紀後期の南アメリカにすんでいた哺乳形類です。
1.5cmほどの頭骨しか見つかっていません。
現在見つかっている哺乳形類では最古の種類です。
アデロバシレウス
学名:Adelobasileus sp.(アデロバシレウスの一種)
分類:単弓綱 哺乳形類 目未定
時代:中生代 三畳紀後期(2億2500万年前)
体長:推定10cm
発掘地:アメリカ ニューメキシコ州
学名の意味:隠された王
最古の哺乳形類
アデロバシレウスは三畳紀後期(ノーリアン:約2億2700万年前~約2億0850万年前)の南アメリカにすんでいた哺乳類(哺乳形類)です。
1989年に、肉食動物のウンコの化石から頭骨の一部が見つかりました。
祖先グループである単弓類(キノドン類)から枝分かれしたばかりの、最古の哺乳類(哺乳形類)とされています。
頭骨の大きさは約1.5cm、推定体長は10cmほど。
ヒトと比べると、これくらい。
哺乳類も恐竜類も現れた時期はほとんど同じですが、アデロバシレウスは体長10cmほど、
恐竜類はすでに体長10m近い仲間が現れています。
アデロバシレウスは、何らかの捕食生動物のウンコの化石から見つかったわけですが、
ウンコの主は、恐竜なのか、ワニなのか、両生類なのかその他の動物なのか、わかっていません。
どうやら、丸のみされたようです。
アデロバシレウスの特徴
哺乳形類は哺乳類も含む大きなグループで、哺乳類に一歩手前のグループが哺乳形類に含まれます。
哺乳形類に含まれる仲間には、祖先グループであるキノドン類の特徴と、(キノドン類が持っていない)哺乳類の特徴が見られます。
アデロバシレウスでは、耳の骨(キヌタ骨とツチ骨が下アゴから離れかけ)とアゴ関節はキノドン類と同じ構造だったと推測されています。
しかし、アデロバシレウスには、キノドン類が持っていない哺乳類的な特長「眼窩の後ろに神経を通す穴が空いている」があったことから、キノドン類から哺乳類へ一歩近づいたグループ「哺乳形類」に含まれています。
歯の形は上下の歯が噛み合うような単純なトンガリとヘコミがあり、現生の食虫性のトガリネズミに似た歯であるところから昆虫を食べていたと考えられています。
上記の特徴から、夜間に昆虫を探して地上を歩き回っていた、と考えられています。
アデロバシレウス、描いてみた
アデロバシレウスは頭骨以外見つかっていません。
見た目は現生のトガリネズミに似ていた、とされていますが、三畳紀後期の哺乳形類では、四肢はまだ体の横に突き出しています。
前肢と後肢の両方が胴体の下にまっすぐ伸びて直立歩行する哺乳類が現れるのはアデロバシレウスから約1億年後、白亜紀になってからです。