コンコラプトル
コンコラプトルは白亜紀後期のモンゴルにすんでいたオヴィラプトル類です。
オヴィラプトル類は顔面がやたらと寸詰まりで、オウムのようなクチバシを持ち、二足歩行する獣脚類です。
獣脚類ですが、肉食であったかどうかは分かっていません。
コンコラプトル
学名:Conchoraptor gracilis(コンコラプトル・グラキリス)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 獣脚亜目 オヴィラプトロサウルス類 オヴィラプトル科
時代:中生代 白亜紀後期
体長:1.5m
発掘地:モンゴル
学名の意味:貝どろぼう
トサカの無い歯無し恐竜
コンコラプトルは体長1.5m、推定体重17kg、白亜紀後期(カンパニアン:約8360万年前~約7210万年前)のモンゴルにすんでいた二足歩行の恐竜です。
オヴィラプトル類は顔に特徴があり、顔は寸詰まりで丈が高く、口先はクチバシになっています。
オヴィラプトル類の一種。
オヴィラプトル、鳥のように卵を温めていた食性不明の歯無し恐竜
オヴィラプトル類の特徴の一つは頭にトサカがあることですが、コンコラプトルは例外的にトサカがありません。
上あごに謎の突起
トサカも無し、歯も無し、のコンコラプトル。
歯が無いのに、上あごには謎の突起があります。
突起を使って堅い物を割って食べていたと考えられていますが、何を食べていたのかは分かっていません。
コンコラプトルと同じ地層から小さな貝の化石が見つかっているので、貝を食べていたのだろうとの推測から、「コンコラプトル=貝どろぼう」という学名が付けられましたが、植物を食べていたのか、肉食だったのか、それとも雑食だったのかも不明なのです。
コンコラプトルの幼体。
植物を食べていた可能性が高いことの証拠だとされています。
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ユロン、オヴィラプトロサウルス類の子どもと巣と卵について
抱卵のための翼?
「コンコラプトル」の含まれるオヴィラプトル類の、「オヴィラプトル」という恐竜の学名は、「卵どろぼう」という意味です。
最初に見つかった化石が、卵が並ぶ巣の上で発見されたため、プロトケラトプスの卵を捕食している最中に埋まってしまったのだろうという推測からつけられた、気の毒な学名です。
しかし、卵の上に覆いかぶさったオヴィラプトルやコンコラプトル、近縁種が他にも見つかり、研究の結果、オヴィラプトル類の巣と卵であり、抱卵している状態で化石になったことがわかりました。
砂嵐などで埋まったと考えられていますが、卵を守るために巣から離れなかったのでしょう。
オヴィラプトル類の復元図や復元模型は、羽毛でおおわれたものがほとんどです。
両腕の翼は、恐竜が巣と卵を広く覆って守るために大きく発達させ、その副産物としてやがて飛ぶ翼を獲得したのが鳥類ではないか、と考える研究者もいます。