恐竜・獣脚亜目 中生代の生物

ビスタヒエヴァーソー、ティラノサウルス類不毛の地ビスタヒで発見された破壊者

ビスタヒエヴァーソー(ビスタヒエヴェルソル)

ビスタヒエヴァーソーは白亜紀後期の北アメリカにすんでいたティラノサウルス類です。

ほぼ完全な頭骨、亜成体、不完全な頭骨しか見つかっていません。

ティラノサウルス類がほとんど見つかっていない白亜紀後期の北アメリカ南部の地層から見つかりました。


ビスタヒエヴァーソー(ビスタヒエヴェルソル)(頭骨)
学名:Bistahieversor sealeyi(ビスタヒエヴァーソー・シーリイ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 獣脚亜目 ティラノサウルス上科
時代:中生代 白亜紀後期
体長:推定9m
発掘地:アメリカ ニューメキシコ州
学名の意味:ビスタヒ(発掘地の地名)の破壊者

ビスタヒの破壊者

ビスタヒエヴァーソー(ビスタヒエヴェルソル)は、白亜紀後期カンパニアンの終わり頃(約7210万年前)の北アメリカにすんでいたティラノサウルス類です。

成体の全身化石はまだ見つかっていませんが、推定体長9m、推定体重900kg~3.6t。

同じティラノサウルス類のアルバートサウルスやゴルゴサウルスに匹敵する大きさです。

イチイチ君
アルバートサウルスとゴルゴサウルスは「ティラノサウルス上科 ティラノサウルス科 アルバートサウルス亜科」に分類されています。ビスタヒエバーソーは「ティラノサウルス上科」。

ビスタヒエヴァーソーは、ティラノサウルス類がほとんど見つかっていないララミディアの南部から発見されたため、ティラノサウルス類が北米でどのように進化したのか、進化のカギを握るティラノサウルス類とされています。

白亜紀後期のマップ。

イチイチ君
白亜紀後期の北アメリカは海によって東西に分断されていました。東はアパラチア、西はララミディアと呼ばれています。ティラノサウルスやアルバートサウルスなど、多くのティラノサウルス類はララミディアの北部で見つかっています。

頭骨比較

ビスタヒエヴァーソーとティラノサウルスの頭骨の比較です。


左側の小さいのがビスタヒエヴァーソー(体長9m)。右側の大きいのがティラノサウルス(体長12m)です。

ずいぶん小さくみえますがビスタヒエヴァーソーの頭骨は60cmほど、ティラノサウルスの頭骨は80cmほどあります。

大きな歯もティラノサウルス類の特徴です。腐肉食ではなく獲物を狩るハンターだったのでしょう。

頭骨で鼻骨も比べてみましょう。

ビスタヒエヴァーソーは、鼻骨が上下に高い、歯の数が64本とかなり多いというユニークな特徴があります。

ビスタビエヴァーソーの頭骨。白っぽい部分が鼻骨。

こちらはティラノサウルスの鼻骨。

真横からではわかりにくいほど鼻骨が低いです。

ティラノサウルス類でここまで鼻骨が高いのはビスタヒエヴァーソーだけ。
なぜ鼻骨が高いのか、何か役割があったのか、わかっていません。

進化的なのか、原始的なのか・・

ビスタヒエヴァーソーの頭骨です。

分類的には「原始的なティラノサウルス上科」とされていますが、鼻先は高さがあって進化的なティラノサウルス風。

口先の幅が狭い(左右にぺったんこ)のも特徴です。

動画、動く恐竜

福井県立恐竜博物館に展示されていたビスタヒエヴァーソーの動刻(アニマトロニクス)です。

自分で動画を作ってみたかったのでUPしました。好き放題に作れて楽しいです。

ほぼ実寸大のビスタヒエヴァーソーが吠えます。


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