ディメトロドン
ディメトロドンは約3億年前の北アメリカ~ヨーロッパにすんでいた肉食性の単弓類です。
大きくて長い顔、体の横に張り出した四肢、長い尾など、爬虫類に似た特徴をたくさん持っていますが、役割の違う2種類の歯を持っているところは哺乳類に似ています。
ディメトロドンという学名の意味も「2つの手段の歯」という意味です。
ディメトロドン
学名:Dimetrodon limbatus(ディメトロドン・リンバタス)
分類:単弓綱 盤竜目 真盤竜亜目 スフェナコドン科
時代:古生代 ペルム紀前期
体長:1.7m~3.3m
発掘地:アメリカ テキサス州
学名の意味:2つの手段の歯
背中に帆のある肉食性単弓類
ディメトロドンは、古生代 ペルム紀前期(約2億9829万年前)の北アメリカ~ヨーロッパにすんでいた肉食性の単弓類(たんきゅうるい)です。
体長1.7m~3.3m、推定体重30kg~250kg。
ディメトロドン・リンバタス以外にも数種類が見つかっており、体長にかなりバラつきがあります。
単弓類は原始的なタイプの盤竜類(ばんりゅうるい)と、盤竜類よりも進化的な獣弓類(じゅうきゅうるい)の2グループに分けられています。
ディメトロドンは、原始的なタイプ「盤竜類」に分類されています。
盤竜類の中では大型の肉食性グループ「スフェナコドン科」に含まれます。
ディメトロドン以外のスフェナコドン科の仲間には帆がありませんが、背骨の棘突起(きょくとっき)は長めです。
この仲間は背中筋肉モリモリのマッチョ単弓類だったのかもしれません。
背中の帆はどうなってる?
ディメトロドンの背中の帆は背骨の棘突起(きょくとっき)が高く伸びたもので、皮膚の膜が張っていました。
帆には部分的に角質のサヤで覆われていた痕跡が残っていて、膜というよりはヒトの爪やウシの角みたいにカチッとした硬いものだったようです。
帆の役割は体温調節の他、仲間にアピールするために使われたと考えられています。
どんくさく見えるけど・・
ディメトロドンの頭骨です。
頭が大きく、アゴがゴツく、アゴの先端の歯は他の歯よりも大きくなっていて、犬歯状になっています。
ディメトロドンの後肢。
胴の真横に横に張り出した短い四肢、長い胴、長い尻尾。
すばやく動けるようには見えません。
どんくさいというか・・。獲物を襲う前に逃げられそうなスタイルです。
しかし、当時の単弓類としては(これでも)脚は長い方。
(当時の獲物よりも)胴も尻尾も細くて身軽なのです。
また、日光に帆を当ててすばやく体温を上げることで、獲物よりも一足早く行動することで有利に襲撃できた、とされています。
ディメトロドンの学名の意味は「2つの手段の歯」という意味です。
大きなアゴで獲物に食いついて犬歯を突き刺してトドメを刺し、奥歯で肉を食いちぎることができた立派なハンターだったのです。
スフェナコドン科は哺乳類につながる系統の始まり
ディメトロドンは、見た目が恐竜とワニを足したような、ザ・爬虫類!な動物ですが爬虫類(爬虫網)ではなく、単弓類(単弓網)。
「単弓類」の名前の通り、眼窩(がんか:目の穴)の後ろにある側頭窓(そくとうそう:筋肉の通る穴)は一つしかありません。
ディメトロドンの含まれるスフェナコドン科の初期の仲間から、獣弓類(じゅうきゅうるい:単弓網 獣弓目)が枝分かれして、哺乳類の系統につながっていきます。