中生代の生物 恐竜・竜脚形亜目

ユーヘロプス、北京原人の発見者が見つけた中国で最初に学名のついた竜脚類

ユーヘロプスは、ジュラ紀前期の中国にすんでいた竜脚類です。

現在では中国からたくさんの有名な竜脚類(オメイサウルス、マメンチサウルス、シュノサウルス、チャオワンロンなど)が見つかっていますが、

中国で一番最初に学名がつけられた竜脚類はエウヘロプスです。


ユーヘロプス(エウヘロプス)
学名:Euhelopus zdanskyi(ユーヘロプス・ツダンスキィ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 竜脚形亜目 竜脚下目 ティタノサウルス上科 エウヘロプス科
時代:中生代 白亜紀前期
体長:推定10m
発掘地:中国 山東省 蒙陰郡
学名の意味:とっても沼地向けの足(ユウ=とても良い、ヘロ=沼地、プス=足)

進化型の竜脚類

ユーヘロプスは白亜紀前期(アプチアン:約1億2500万年前~約1億1300万年前)の中国にすんでいた竜脚類です。

最大体長12m、推定体重4t~7.5t。竜脚類としてはあまり大きくありません。

竜脚形亜目の分類ではここらへん。

ユーヘロプスは、ティタノサウルス類に一歩手前の「ティタノサウルス形類」に分類されていましたが、現在はもう少し進化型の「ティタノサウルス上科」に分類される傾向にあります。

全身が見つかれば、分類がはっきりするかもしれません。

頚椎(けいつい:首の骨)の関節部が上下に伸長するという中国産の竜脚類(マメンチサウルスやオメイサウルスなど)にしか見られない特徴を持っているため、ティタノサウルス類はアジアが起源ではないか、とする説の根拠にもなっています。

ユーヘロプス発見の歴史

ユーヘロプスは、中国で一番最初に学名がつけられた竜脚類として有名で、最初の化石(産地不明)は1913年に発見されています。

1923年にオーストリアの古生物学者オット・ツダンスキーが産地を突き止め、現在知られているユーヘロプスの化石を発見しました。

ツダンスキーはこの発掘調査以前に北京原人の歯を発見するという大偉業を成し遂げていたため、ユーヘロプスの化石の研究をすることができず、1929年スウェーデンのウプサラ大学の古脊椎動物学者、カール・ウィマンが化石を研究し「ヘロプス・ツダンスキィ」という学名で発表しました。

後に、ヘロプス(沼の足)という学名がすでに使用されていたため、ユーヘロプス(とっても沼地向けの足)に改名されました。

ユーヘロプスの特徴

ユーヘロプスの頭骨です。鼻の穴が大きく、眉間のあたりにあります。

口先は他の竜脚類には見られない独特の形をしています。

ユーヘロプスの歯です。

歯はブラキオサウルスの歯のような、真ん中に窪みのあるスプーン状で、歯のフチで植物をちょんぎって丸呑みしていたようです。

ユーヘロプスの背骨です。

胴椎(どうつい:背骨)の神経弓(しんけいきゅう)を横から見るとアルファベットの「K」が見えるというオリジナルな特徴を持ちます。

ユーヘロプス描いてみた

ユーヘロプスを描いてみました。首が長めで、頭骨がとても小さく、口先が広がっています。

前肢が後肢よりも少し長いので、やや腰が下がっています。

右後肢の化石が見つかっていて、少なくとも体の内側にある第一指、第二指に爪があったようです。


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