ヒエノドン
ヒエノドンは、新生代 古第三紀 漸新世(ぜんしんせい)に繁栄していた肉食性の絶滅哺乳類です。
「肉歯目(にくしもく)」という絶滅した肉食性哺乳類の仲間で、北アメリカ、ユーラシア、アフリカから見つかっています。
ヒエノドン
分類:哺乳網 肉歯目 ヒエノドン科
学名:hyenodon cruentus(ヒエノドン・クルエンタス)
体長:70cm
時代:新生代 古第三紀 漸新世(約3500万年前~約3100万年前)
発掘地:アメリカ ワイオミング州
学名の意味:ハイエナの歯
ヒエノドン
ヒエノドンは、新生代 古第三紀 始新世中期~漸新世後期(約3500万年前)に繁栄した肉食性の絶滅哺乳類です。
学名のヒエノドンとは「ハイエナの歯」という意味ですが、ハイエナとは類縁関係はありません。
ヒエノドンは「肉歯目(にくしもく)」という絶滅した肉食性の哺乳類グループの仲間です。
ヒエノドンには大きさの異なるたくさんの種類がいて、北アメリカ、ユーラシア、アフリカから見つかっています。
上記の画像は柴犬サイズのhyenodon cruentus(ヒエノドン・クルエンタス)。
最も大きな種類は北アメリカにすんでいたHyaenodon horridus(ヒエノドン・ホリドゥス)で、体重は40kgもあったようです。
肉歯目とは
肉歯目(にくしもく)というグループは、肉食性の絶滅哺乳類のグループで、現生の食肉目(ネコ目)とは祖先を同じくする姉妹グループです。
ヒエノドンの頭骨です。
大きな犬歯、正面を向いた眼窩(がんか:目の穴)、イヌやネコの頭骨に似ています。
肉歯目は食肉目とは姉妹グループですが、肉を裂く歯(裂肉歯:れつにくし)の役割をする歯が食肉目とは異なっています。
その他、手首の骨が癒合していない(早く走るのが得意ではない)、鼓胞(こほう:耳の骨を覆う器官)が軟骨でできている、という違いがあります。
肉歯目は歯やアゴなどは当時の食肉目の仲間よりも一歩進んだ(捕食に適した)進化をしていたものの、中新世中期(約1400万年前)くらいには衰退し絶滅しました。
体の大きさのわりに頭が大きく、四肢が短いのが特徴で、素早く走って捕食するスタイルではなかったのかもしれません。
ゆっくり動く大型の植物食動物に大きな頭で喰らいついていたのでしょう。
奇蹄類(ウマの仲間)や偶蹄類(ウシの仲間)のうち、走って逃げるのが得意な中型の種類が増え始めた頃、衰退しています。