モルガヌコドン
モルガヌコドンは、哺乳類が祖先グループ(単弓網 キノドン類)から分岐した頃の動物で、生きていた時代は今から2億年ほど前(中生代 三畳紀後期)です。
哺乳類ではなく、哺乳類も含まれるもっと大きなグループ「哺乳形類(ほにゅうけいるい)」に分類されます。
哺乳形類には、哺乳類の祖先グループと哺乳類の、両方の特徴を持った動物が含まれます。
哺乳類の基礎や基盤にあたるグループであり、哺乳類の系統図に例えると根っこ部分のグループで、根っこから伸びた分岐のずーっと先には哺乳類がいます。
モルガヌコドン
学名:Morganucodon sp.(モルガヌコドンの一種)
分類:単弓綱 哺乳形類 モルガヌコドン目 科未定
時代:中生代 三畳紀後期~ジュラ紀前期
体長:9cm
発掘地:ヨーロッパ、中国、北アメリカ
学名の意味:モルガヌク(地名)の歯
哺乳形類とは
モルガヌコドンは今から2億年ほど前(中生代 三畳紀後期)にヨーロッパや中国にいた動物です。
哺乳類の祖先グループ(単弓網 獣弓類 キノドン類)から哺乳類が分岐した初期の頃に現れた動物です。
厳密にはモルガヌコドンは哺乳類ではなく、「哺乳形類(ほにゅうけいるい)」と呼ばれるグループに含まれます。
哺乳形類には、哺乳類の祖先グループ(単弓網 獣弓類 キノドン類)と哺乳類の、両方の特徴を持った動物が含まれます。
哺乳形類は、哺乳類の祖先グループ(単弓網 獣弓類 キノドン類)の特徴も残している、言わば哺乳類の系統樹の根っこにあたるグループです。
モルガヌコドンは、哺乳類の祖先グループの特長と、哺乳類の特長をあわせ持っていました。
突起のある奥歯や、乳歯から永久歯の生え変わり、首や胴をよじることができる背骨は哺乳類的です。
しかし、耳の骨やアゴの関節はキノドン類に近かったようです。
化石には残りませんが、体が小さい(←体温が逃げやすい)ので、
哺乳類一歩手前とはいえ、体毛を持っていたか、恒温性(体温を一定に保つしくみ)を持っていたと考えられています。
飛んだりはねたりする動きの早い昆虫も、素早く追いかけて捕らえることができたでしょう。
モルガヌコドンは、単純な歯しか持たない爬虫類とは違い、奥歯の表面に3つの出っ張りが並ぶ歯を持っていて、でっぱりが噛み合わさることで昆虫を噛み潰しやすくなっていました。
かたい甲羅を持つ昆虫も噛み潰して食べることができるようになり、モルガヌコドン以降に現れる哺乳形類と哺乳類は、格段に脳が大きくなったとも言われています。