古生代 オルドビス紀
古生代の2番目に古い時代、約4億8540万年前~約4億4380万年前の約4160万年間がオルドビス紀です。
オルドビス紀という名前の由来は、この地層が調査されたイギリスのウェールズ地方に住んでいた「オルドバイス族」にちなんで、オルドビス紀と呼ばれます。
もくじ
オルドビス紀の大陸
オルドビス紀中期頃の大陸。
参照:ポプラディア図鑑 WONDA大昔の生きもの
オルドビス紀中期頃、ほとんどの大陸は南半球にあります。
大陸の周辺には浅く平坦な大陸棚が広く続き、浅く温かい海にたくさんの生物がいました。
オルドビス紀の気候
オルドビス紀初期は、カンブリア紀に引き続き気温が高く、海洋温度は40℃を越えていたと考えられています。
オルドビス紀前期が終わる頃には気温が急激に低下し、海洋温度は現代と変わらない20℃前後にまで下がりました。
オルドビス紀後期かけて氷河が拡大すると気温はさらに下がりましたが、オルドビス紀末期に再び気温が急上昇します。
このようなオルドビス紀の気温の乱高下は、激しい大陸移動によるものと考えられています。
冷たい海流を遮断するような大陸配置と、南極で発達した氷河で冷やされた海流が循環する大陸配置が繰り返されたことと、活発な火山活動による温室効果によるもの、とされています。
オルドビス紀の陸の生き物
オルドビス紀の陸地には、生物がほとんどいなかった、と考えられていますが、節足動物の足跡化石、植物の胞子の化石が見つかっています。
約4億7000万年前(古生代 オルドビス紀中頃)の地層から見つかった胞子化石には、陸生植物特有の特徴が見られるため、藻類やコケ植物などの何らかの植物が陸へ進出したと考えられています。
(植物本体の化石は見つかっていません)。
水中で繁殖する植物の胞子にはこのY字の溝が無いのです。
目に見えるサイズの植物が陸上へ進出したのは古生代 シルル紀(約4億4380万年前~約4億1920万年前)になってからですが、植物本体の化石が見つかれば、植物上陸の常識が覆るかもしれません。
オルドビス紀の海の生き物
陸地とは違い、オルドビス紀の海にはたくさんの生物がいました。
ウミユリの化石。見た目は植物に似ていますが動物です。
花のように見える部分は触手。触手でプランクトンなどを捕まえて食べます。
ウミユリは、ウニやヒトデも含まれる、棘皮動物というグループの仲間です。
ウミユリの多くは古生代のうちに絶滅しましたが、現在も深海にすむウミユリの仲間がいます。
オルドビス紀の魚には胸ビレがなく、泳ぎはヘタクソ。
アゴの骨が無いので、水底を這って小動物や有機物を口に入れていました。
オルドビス紀の魚、アランダスピス・プリオノトレピス(Arandaspis prionotolepis)
オウムガイの全盛期とアンモナイト
発達した視力と高い遊泳能力で、泳ぎのヘタクソな魚類を獲物にしていたのが軟体動物。
オウムガイはカンブリア紀に現れ、オルドビス紀に多様化しました。
オウムガイとアンモナイト
オウムガイとアンモナイトが似ているのはあたりまえ。親戚なのです。
オウムガイの方が起源が古く、古生代 シルル紀にオウムガイの仲間から枝分かれしたのがアンモナイトです。
オウムガイもアンモナイトも、古生代のうちに多くが絶滅し、衰退しました。
衰退後、アンモナイトは復活。中生代に再び大繁栄しましたが「白亜紀末の大量絶滅」で恐竜類とともに絶滅しました。
オウムガイは再び繁栄することはありませんでしたが、現在まで細々と生き残っています。
水族館のオウムガイ。夜行性なので昼間は寝ています。
イジけてるんじゃないの。寝てるの。
オルドビス紀末の大量絶滅
オルドビス紀末、古生代初の大規模な大量絶滅「オルドビス紀末の大量絶滅」が発生。
「オルドビス紀末の大量絶滅」では、生物の約50%(属)が絶滅(科単位では12%)した、とされています。
サンゴ、三葉虫、腕足動物、海綿、など、暖かい海にすむ生物が激減しています。
オルドビス紀末の大量絶滅の原因は分かっていません。
大陸移動による寒暖の海流の変化が繰り返された上に、活発な火山活動による温室効果が重なり、気温が乱高下したことが、オルドビス紀末の大量絶滅の原因ではないか、とする説があります。
古生代 オルドビス紀の次の時代は、古生代 シルル紀です。