古生代

古生代 ペルム紀はどんな時代?

古生代 ペルム紀

古生代最後の時代、約2億9829万年前~約2億5200万年前の約4629万年間がペルム紀です。

ペルム紀の名前の由来は、ペルム紀の地層が露出するロシアのウラル山脈にあったペルミア王国にちなんで、ペルム紀と呼ばれます。

ペルム紀は、中生代三畳紀のひとつ前の時代という意味で「二畳紀(にじょうき)」と呼ばれていましたが、現在は使われていません。

ペルム紀には全ての陸地が一箇所に集まり「超大陸パンゲア」と呼ばれる一続きの大陸が存在しました。

ペルム紀末、生物史上最大の「ペルム紀末の大量絶滅」が起こり、たくさんの生物が絶滅、衰退しています。

ペルム紀の大陸配置

ペルム紀の大陸です。

参照:ポプラディア図鑑 WONDA大昔の生きもの

大陸は、三日月形の「超大陸パンゲア」のみ。パンゲアに囲まれるように古テチス海、パンゲアの外にはパンサラッサ海が広がります。

ペルム紀の気候

ペルム紀のイメージとしては終始火山が噴火して暑かったと思っていましたが、大間違いでした(すみません)。

石炭紀後期から発達した氷河がペルム紀後期まで存在していたため、ペルム紀前期は冷涼、後期にかけて気温が上昇しましたが、通じてかなり乾燥した気候だったようです。

パンゲアの北部(アメリカ、ヨーロッパ辺り)には巨大な砂漠が広がり、大陸のフチに森林が広がるような環境だったと考えられています。

石炭紀に大森林を作っていた大型のシダ植物(胞子で増える植物)は衰退し、裸子植物(らししょくぶつ)が乾燥地に森林を作るように変化していきました。

石炭紀では単純だった植物相は、ペルム紀では5つの植物相に分かれ、それぞれの地域で異なる植物が繁栄しました。

パンゲアの南半球で広く繁栄した裸子植物、グロッソプテリス・ブロウニアナ(Glossopteris browniana)。

パンゲアの北半球の東(中国あたり)で繁栄した裸子植物、ギガントプテリス・ニコティアナエフォリア(Gigantopteris nicotianaefolia)。

パンゲアの北半球の西(北アメリカあたり)で繁栄したアレトプテリス・セリリ(Alethopteris serilli)、分類不明。

パンゲアの北半球のど真ん中(ヨーロッパあたりとシベリアあたり)には石炭紀からの生き残りが繁栄していました。

北半球の北側(シベリアあたり)で繁栄したトクサ類、アンヌラリア・ネウブルギアナ(Annularia neuburgiana)。

多様な植物を利用する植物食性の生物も、植物に合わせるように多様化しました。

植物を食べるために、歯やアゴの仕組みを変化させた脊椎動物が現れています。

石炭紀からの植物がせっせと放出した酸素濃度は、ペルム紀になると大気中の酸素濃度が30%と、史上最も高くなりました。

イチイチ君
イチイチ君
現在の大気中の酸素濃度は21%です。

二酸化炭素濃度は現在と変わらないほど低く、ペルム紀末にはパンゲア北部(シベリア)で史上最大のマグマの噴出があったことが分かっていて、一気に二酸化濃度が高くなった時期があったようです。

このシベリアのマグマ噴出は少なくとも数千年続いたとみられ、二酸化炭素濃度の上昇や火山性ガスの噴出が海洋無酸素事変を引き起こし、大量絶滅の一因になったと考える研究者もいます。

単弓類の大繁栄

ペルム紀に繁栄したのは「単弓類(たんきゅうるい)」というグループです。

イチイチ君
イチイチ君
単弓類は哺乳類の祖先グループです。

単弓類は以前、爬虫類の中の1グループとされていたため、「哺乳類型爬虫類(ほにゅうるいがたはちゅうるい)」と呼ばれていました。

現在では、単弓類の祖先は爬虫類ではなく両生類であることが分かり、「哺乳類型爬虫類」という呼び名は使われなくなっています。

単弓類のうち、初期に現れた原始的なグループ「盤竜類(ばんりゅうるい)」の代表種、ディメトロドン。体長3m。

よく恐竜と間違われますが、似ているのは見た目だけ。

ディメトロドンは原始的な単弓類ですが、役割の違う歯を持つ(異歯性:いしせい)、という哺乳類オリジナルの特徴をすでに持っています。

史上最大、ペルム紀末の大量絶滅

古生代 ペルム紀末期、史上最大規模の大量絶滅「ペルム紀末の大量絶滅」が発生しました。

地球上の全生物の約65%の種類(属)(科では52%)が絶滅し、海にすんでいた無脊椎動物にいたっては、98%の種類(属)が絶滅。

イチイチ君
イチイチ君
恐竜が絶滅した中生代の「白亜紀末の大量絶滅」が最も有名ですが、白亜紀末の大量絶滅で絶滅したのは、約45%(属)の生物です。

「ペルム紀末の大量絶滅」は約700万年の間隔をあけて2度起こった、と考えられています。

「ペルム紀末の大量絶滅」が起こった理由ははっきりしていません。

ペルム紀後期には、地球規模で数万年に渡って火山活動が活発になり、特にパンゲアの北部(シベリア)のマグマ噴出は、少なくとも数千年続いたとみられ、二酸化炭素濃度の上昇や火山性ガスの噴出が海洋無酸素事変を引き起こし、大量絶滅の一因になったと考える研究者もいます。

「ペルム紀末の大量絶滅」によって、三葉虫とフズリナが全滅。

単弓類もたった1目3亜目(獣弓目キノドン亜目、獣弓目ディキノドン亜目、獣弓目テロケファルス亜目)しか生き残ることができませんでした。

イチイチ君
イチイチ君
テロケファルス類は三畳紀の前期までに絶滅、ディキノドン類は三畳紀末の大量絶滅までに絶滅、 生き残ったキノドン類から哺乳類が枝分かれしますが、キノドン類は白亜紀前期までに絶滅しています。 現在、単弓類の生き残りは哺乳類だけです。

フズリナとは古生代に生きていた有孔虫(ゆうこうちゅう)の仲間です。
フズリナの化石。1cmほど。古生代を代表する生物の一つ。

おみやげ屋さんで売られている星の砂は、現生の有孔虫の仲間の殻です。

三葉虫は古生代を代表する生物で、古生代カンブリア紀~オルドビス紀にかけて繁栄し、古生代ペルム紀末に絶滅しました。

デボン紀の三葉虫、ファコプス。

ペルム紀を最後に古生代は終わり、次の新しい時代「中生代(ちゅうせいだい)」が始まります。

中生代は、恐竜や翼竜などの爬虫類の仲間が繁栄した時代です。

中生代 三畳紀へGO!


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