中生代の生物 恐竜・竜脚形亜目

プラテオサウルス、三畳紀後期最大の植物食恐竜

プラテオサウルス

プラテオサウルスは、今から2億3700万年前(三畳紀後期)のヨーロッパにすんでいた植物食恐竜です。

成体の体長は6~10m前後で、三畳紀後期の恐竜としては最大級の植物食恐竜です。

プラテオサウルス
学名:Plateosaurus engelhardti(プラテオサウルス・エンゲルハーティ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 竜脚形亜目 原竜脚下目 プラテオサウルス科
時代:中生代 三畳紀後期
体長:6m
発掘地:ドイツ
学名の意味:幅の広いトカゲ

170年も前から

プラテオサウルスは三畳紀後期(ノーリアン:約2億1650万年前~約2億0360万年前)のヨーロッパにすんでいた植物食恐竜です。

生体でも体長にばらつきがあり、最大体長は8~10m。推定体重2t。

体長8mだと、ヒトと比べるとこれくらい。

プラテオサウルスは、今から170年以上も前の、恐竜が研究され始めた頃から知られている恐竜の一つで、ヨーロッパでは100体以上のプラテオサウルスの化石が見つかっています。

特徴と分類

長い首に小さな頭、長い尻尾が特徴で、足跡の化石から、二足歩行と四足歩行を併用していたことが分かっています。

※基本的に二足歩行、補助的に4足歩行だったようです。

竜盤類の中の「原竜脚類(げんりゅうきゃくるい)」というグループに分類されています。

竜脚形亜目の分類だとここらへん。

※原竜脚類を「竜脚形類(りゅうきゃくけいるい)」として分類する方法もあります。分類方法は研究者によって異なるので、どちらも間違いではありません。

イチイチ君
イチイチ君
原竜脚類、もしくは、竜脚形類は、古竜脚類(こ りゅうきゃくるい)と呼ばれていたグループです。

原竜脚類(竜脚形類、古竜脚類)とは

プラテオサウルスは、『原竜脚類(げんりゅうきゃくるい』に分類されています。

プラテオサウルスを含む原竜脚類は、以前は古竜脚類(こりゅうきゃくるい)と呼ばれていました。

原竜脚類は、竜盤目(りゅうばんもく)の中の1グループで、三畳紀後期に現れ、ジュラ紀中期の中頃には絶滅しています。

イチイチ君
イチイチ君
同じく三畳紀後期には最初の竜脚類も現れていましたが、原竜脚類の方が一足先に繁栄したようです。

原竜脚類は、長い尾、長い首、小さな頭という、竜脚類(りゅうきゃくるい:ブラキオサウルスやディプロドクスなど)と同じ特徴を持っているので、原竜脚類が竜脚類へ進化したように勘違いしそうですが、
原竜脚類と竜脚類は共通の祖先から枝分かれしたグループなので、原竜脚類は竜脚類の祖先ではありません。

三畳紀後期最大の恐竜

プラテオサウルスの体長は約6~10mで(成体でも体長にばらつきがある)、三畳紀後期の恐竜としては最大級です。

体長にばらつきがあるのは、三畳紀特有の気候のせいかもしれません。

イチイチ君
イチイチ君
三畳紀は、高温で乾燥した砂漠の周辺にモンスーン気候の熱帯雨林が広がるという、かなり両極端の気候であったため、
植物食の生物は季節やすむ場所によって摂取できるエサの量が変化したのかもしれません。
中生代 三畳紀はどんな時代?

最初の恐竜類が現れたのは三畳紀中期とされているので、かなり早くから大型化が始まったということになります。

植物食恐竜が大型化すると、後を追うように肉食恐竜も大型化するのですが、プラテオサウルスがいた時代は獣脚類(肉食恐竜)はまだ大型化していませんでした。

大きいものでリリエンステルヌス(5m)やヘレラサウルス(4m)などでした。

体が大きいだけで無敵だったろうと思いきや、当時は恐竜よりも、大型爬虫類のクルロタルシ類(ワニの親戚)や、単弓類(哺乳類の祖先)、大型の両生類などが繁栄していたのです。

三畳紀後期の大型捕食者。クルロタルシ類のレドンダサウルス。
体長10m級の↓こんなのが、陸にも水中にもいた時代。

三畳紀末の大量絶滅によって、クルロタルシ類、単弓類、大型両生類が激減すると、スキマを生めるように恐竜類が多様化します。

プラテオサウルスの顔

プラテオサウルスの頭骨です。長い顔、馬ヅラです。

原竜脚類は頭骨を下からみると、口先に向かって細くなる三角形です。(上から見ても三角形です。)

さらに、口先にいくほど、歯の丈が短くなるのも原竜脚類の特徴です。

プラテオサウルスの歯は木の葉型で、フチにギザギザ(鋸歯:きょし)のある歯をしています。

植物をザクザクと切り刻んで食べていたのでしょう。

カギ爪のある指

プラテオサウルスの手足です。

前肢の指にはカギ爪があり、第一指(親指)がいちばん大きなカギ爪になってます。前肢は5本指ですが、第5指(小指)は退化しています。
指は物をつかむように動かすことができたので、植物を手繰り寄せることに使ったのかもしれません。

後肢の指もカギ爪で5本指ですが、やっぱり第5指(小指)は退化していて小さく、いちばん大きなカギ爪は第一指(親指)です。
後肢でいちばん長い指は第三指(中指)です。

イチイチ君
イチイチ君
後肢でいちばん長い指が第三指(中指)なのは、原竜脚類に共通する特徴です。


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