ウタツサウルス
ウタツサウルスは、三畳紀前期の海にすんでいた魚竜類です。
日本の宮城県で見つかりました。
ウタツサウルス
学名:Utatsusaurus hataii(ウタツサウルス・ハタイイ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 広弓下網 魚竜上目 科不明
時代:中生代 三畳紀前期
体長:約3m
発掘地:日本 宮城県歌津町(現在の宮城県南三陸町)、カナダ
学名の意味:歌津のトカゲ
最古の魚竜類
ウタツサウルスは海にすむ爬虫類「魚竜類(ぎょりゅうるい)」です。
体長は最大3m、三畳紀前期の海にすんでいました。

ウタツサウルスは、現在見つかっている最古の魚竜類で、他の魚竜類では退化して無くなる骨盤がまだ残っていて、脊椎と骨盤が関節していました。
シッポのヒレはあまり大きくなかったようで、尾を振って、ではなく、体をくねらせて泳いでいた、と考えられています。
状態の良い化石から、背ビレは持っていなかったことが分かっています。
なぜ海に戻った?
現在見つかっている最古の魚竜類「ウタツサウルス」は、すでに完全に水中生活に適応した体になっていますが、脊椎と骨盤が関節するなど、陸生生物の名残りが残っています。
魚竜類の祖先は陸上で生活していた爬虫類ということになりますが、魚竜類の祖先と思われる陸生の爬虫類はまだ見つかっていません。

時代的にみると、爬虫類が両生類から枝分かれし、陸生動物として適応してから間もなく、なぜかまた水中(海)へ戻ったことになります。
魚竜類がなぜ海に戻ったのかはわかっていません。
古生代ペルム紀(中生代三畳紀の一つ前の時代)には水陸両生の爬虫類(メソサウルスなど)が現れていましたが、ペルム紀末の大量絶滅で多くの生物がいなくなったため、海洋生物としてのニッチが空いていたのかもしれません。