プルガトリウスは、新生代 暁新世の北アメリカにすんでいた原始的なサルの仲間です。
サル目(霊長類)としては最古の種類で、恐竜類が絶滅した『白亜紀末の大量絶滅』のすぐ次の時代から化石が見つかっています。
プルガトリウス
学名:Purgatorius sp.(プルガトリウスの一種)
分類:哺乳綱 サル目 不明(プレジアダピス類か?)
時代:新生代 古第三紀 暁新世
体長:推定頭胴長10cm
発掘地:アメリカ モンタナ州
学名の意味:プルガトリーヒル(地名)のもの
最古の霊長類
プルガトリウスは、新生代 古第三紀 暁新世(ダニアン:約6600万年前~約6160万年前)の北アメリカにすんでいた最古のサル目(霊長類)です。
中生代 後期白亜紀の末期の地層からも化石が見つかっている、とされていましたが現在は否定されています。
頭胴長は推定10cmほど。
ヒトと比べるとこれくらい。
化石は歯とアゴの一部、足首の関節しか見つかっておらず、サル目(霊長目)に分類しない研究者もいますが、見つかった足首の関節は可動域が広く、サル目(霊長類)に分類しないとしてもサル並みに木登り上手だったのではないか、とされています。
イラストはツパイに似せて描いています。
↓ツパイの一種。
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プルガトリウスの生きていた時代と初期のサル目
プルガトリウスが生きていた時代は、新生代 古第三紀 暁新世(中生代 白亜紀末期の大量絶滅後の時代)で、地球全体の気温が高く、世界中で熱帯雨林が広がっていました。
プルガトリウスのすんでいた北アメリカにも亜熱帯性の森林が広がっていました。
果実をつけるタイプの樹木も同じ時代に繁栄し始めたことがわかっていて、初期のサル目(霊長類)の仲間は、広がった森林の樹上で果実や昆虫を食べる方向へ進化した、と考えられています。
また、多くの哺乳類は色を見分ける事を苦手としますが、ヒトを含め昼行性のサル目(霊長類)の多くは哺乳類の中でも多色を見分ける目を持ちます。
これは果物の熟れ具合や毒の有無を目視で確認する必要があったため、という説があります。
サル目(霊長類)の両目が顔面の前に並んで付いているのは、枝から枝へ移動する時に距離を測る必要があったため、
そして、
親指が他の指と向かい合うのは枝や果実をつかむためです。
ヒトもまたサル目(霊長類)の一種なので、プルガトリウスも持っている上記の特徴を引き継いでいます。