ステゴサウルスは、後期ジュラ紀の北アメリカにすんでいた植物食恐竜です。
最大体長9m。背中に並ぶ大きな骨の板と、尻尾にある4本のスパイクが特徴です。
ステゴサウルス
学名:Stegosaurus sp.(ステゴサウルスの一種)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 鳥盤目 装盾亜目 剣竜亜目 ステゴサウルス科
時代:中生代 ジュラ紀後期
発掘地:アメリカ、ポルトガル
体長:9m
学名の意味:屋根トカゲ
剣竜類最大の代表種
ステゴサウルスは、後期ジュラ紀(キンメリッジアン~チトニアン:約1億5730万年前~約1億4500万年前)の北アメリカにすんでいました。
剣竜類の中では最大種で、最大体長9m、推定体重900kg~3.5tです。
剣竜類の代表種なのに他の剣竜類と共通しないイレギュラーな特徴を持っています。
ステゴサウルスの分類
ステゴサウルスは、「剣竜類(けんりゅうるい)」と呼ばれる、背中に骨の板やスパイクを持つ4足歩行の植物食恐竜のグループに含まれます。
分類はここらへん。
ステゴサウルスの背中の板
ステゴサウルスは背中の板やトゲが互い違いに並んでいます。
剣竜類の多くは平行に並んだ板やトゲを持っていて、板やトゲが互い違いに並んでいるのはたった3種(ステゴサウルス、ヘスペロサウルス、ウェルホサウルス)だけです。
また、ステゴサウルスは特別大きな骨の板を持っていますが、他の剣竜類の板はあまり大きくありません。(スパイクのほうが大きい)。
ステゴサウルスの背中の板。
首から尻尾の途中まである板のうち、腰にある板が一番大きく、最大で高さ60cmになります。
板にはたくさんのスジスジがあります。
これは血管が通っていた跡とされ、骨の板に日光を浴びて体を暖めたり、風にあてて体を冷やしたりしていた、と考えられています。
背中の板のおかげで体が大きく見えるので、威嚇や、異性をひきつけるのにも役立っていたでしょう。
色や模様によって仲間や種類を識別していたかもしれません。
興奮すると板の血管が充血して赤い色になった、という説もあります。
ステゴサウルス、描いてみた
ステゴサウルスは前肢が後肢よりも短いので、頭よりも腰のほうが高い位置にあるという変わったシルエットをしています。
また、全ての剣竜類は尻尾に2対のスパイク(トゲ)を持っています。
ステゴサウルスの尻尾のスパイクがぴったりおさまる穴の開いた、アロサウルスの背骨の化石が見つかっています。
気の毒なアロサウルスは、ステゴサウルスを襲って返り討ちに会ったのでしょう。
ステゴサウルスもアロサウルスも、同じ時代(後期ジュラ紀)の北アメリカにすんでいました。
へんな板あるし、尻尾のトゲこっち向いてるし。
ガラ空きに見えるステゴサウルスの横ッ腹も尻尾スパイクの射程距離内なので、以外に隙が無いステゴサウルス。
以外に隙が無い
アロサウルス目線で考えると、尻尾スパイクの射程距離ではない首を狙えばよさそうですが、ステゴサウルスはアゴの下からのどにかけて、細かい骨のツブでできた鎧を持っていました。
ガラ空きの肩か前肢に噛み付いてひっくり返す作戦もよさげですが、
剣竜類は、鎧が軽減されていた鎧竜類などと違ってかなりの重量級だったようなので、押し倒しもひっくり返しも難しかったらしいのです。
(わりと)軽量だった初期の剣竜類は両肩に長いスパイクを持ちますが、腕や肩に噛み付かれてひっくり返されるのを防御するためだったのかもしれません。
ステゴサウルスの頭骨
ステゴサウルス・ステノプス(Stegosaurus stenops)の頭骨です。
体長は9mもありますが、体の割りに頭はとても小さく、ウマの頭と同じくらいの大きさです。
アロサウルスのような頭骨を軽くするスカスカな穴はありません。
前眼窩窓が閉じて無くなっているので、箱型の頑丈そうな頭に見えます。
口の先はクチバシになっていて、口先には歯がありません。
歯は小さくて単純な形をしていて、歯を噛みあわせて植物をすりつぶすことはできませんでした。
ステゴサウルスは森林ではなく、乾燥したサバンナのような開けた場所にすんでいたことが分かっていて、木の葉ではなく、低い場所にあるシダなどを食べていたようです。