恐竜・獣脚亜目 中生代の生物

ザナバザル(サナバザール)と、おかみそり

ザナバザル(ザナバザール)は、白亜紀末期のモンゴルにすんでいた獣脚類で、恐竜類の中では最も鳥類に近いとされるトロオドン科の仲間です。

以前はサウロルニトイデスの一種とされていましたが、2009年にサウロルニトイデスとは別種として新しい学名がつけられました。


ザナバザル(ザナバザール)(頭骨)
学名:Zanabazar junior(ザナバザル・ジュニオル)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 獣脚亜目 トロオドン科 トロオドン亜科
時代:中生代 白亜紀末期
体長:推定2m~3m
発掘地:モンゴル ブギン・ツァブ
学名の意味:チベット仏教教祖の法名

アジア最大のトロオドン科

ザナバザル(ザナバザール)は白亜紀末期(マーストリヒチアン:約7210万年前~約6600万年前)のモンゴルにすんでいたトロオドン科の仲間です。

見つかっているのは頭骨、腰、尻尾、右脚などの一部で、体長は推定で2m~3m。

体長2mだとすると、ヒトと比べるとこれくらいの大きさ。

トロオドン科としてはトロオドンに次ぐ大きさで、アジアで見つかっているトロオドン科の中では最大です。

イチイチ君
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トロオドン科の仲間は鳥のように小型化していく仲間が多かったので、大型化していったトロオドンやザナバザルは変わり者だったのかもしれません。

こまかい歯と大きな脳

ザナバザルの頭骨。頭骨の大きさは30cmくらい。

アゴ先に行くほど左右に狭くなる三角形で、上下にも低くなってます。

後頭部が丸っこいのと、頭骨の大きさの割りに歯がこまかくて密集し、数が多いのが特徴です。

ザナバザルの下あご。歯がとてもこまかいのが特徴。何を食べてたんだか。

ザナバザルの頭骨と脳エンドキャスト(脳函(脳を納める空間)をかたどりしたもの)。

左下のピンク色が脳エンドキャスト。

ザナバザルの脳函には脳のデコボコの痕跡が残っていて、脳函いっぱいに脳が収まっていたことがわかっています。

トロオドン科の仲間なので脳は大きくて丸っこく、嗅覚は小さく大脳と視覚は大きくなっています。

大きな大脳から、仲間とコミュニケーションをとるような複雑な行動ができた可能性があります。群れで狩りをしたり、渡りをしたのかもしれません。

イチイチ君
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竜脚類などの脳函には脳函いっぱいに脳が詰まっておらず、血管や神経が脳を取巻いていたようです。(そのぶん脳が小さかった)

旧サウロルニトイデスの一種

ザナバザルは、1974年にモンゴルのブギン・ツァブで発見された頭骨から、サウロルニトイデスの一種として「サウロルニトイデス・ジュニオル(Saurornithoides junior)」と呼ばれていました。

福井県立恐竜博物館のザナバザルの復元模型。

やはり頭が大きめです。

先に見つかっていたサウロルニトイデス・モンゴリエンシスよりも頭骨が1.5倍大きいこと、歯の数が多いことから2009年に「ザナバザル・ジュニオル」に改名されました。

イチイチ君
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サウロルニトイデス・モンゴリエンシスは1923年にゴビ砂漠のバヤン・ザクで見つかっています。当時は原始的な鳥類とされていました。

変わった学名の由来は?

学名のザナバサル(ザナバザール)は、チベット仏教の初代教祖の法名です。

法名とは「私は三法に帰依し、お釈迦様の弟子として生きます!」と誓うと授かる名前のことです。

クリスチャンネームの仏教徒版みたいなもので、生きている間に授かることができます。

浄土真宗(じょうどしんしゅう)の場合、京都にある西本願寺か東本願寺へ行って「帰敬式(ききょうしき)」を受ければ法名が授かります。

帰敬式は別名「おかみそり」とも呼ばれ、タスキみたいなのを掛けられて、現世の3つの欲を断ち切るとかで頭にカミソリを3回あてられ、お説法を聞く儀式です。

授かる法名は「釋○○」一律で、残念ながらザナバザルという法名にはなりません。

イチイチ君
イチイチ君
帰敬式にはお布施が要ります。有料です。

リンクを張っておくので興味のある方は調べてね。
東本願寺のおかみそり

なお、管理人は西本願寺や東本願寺の回し者ではありません。


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