古生代

古生代 シルル紀はどんな時代?

古生代 シルル紀

古生代の3番目に古い時代、約4億4380万年前~約4億1920万年前の約2460万年間がシルル紀です。

シルル紀の名前の由来は、地層が調査されたイングランドに住んでいた部族「シルル族」に由来して、シルル紀と呼ばれます。

古生代の中ではもっとも期間の短い時代ですが、目に見えるサイズの植物が陸に進出するという大イベントが起こった時代です。

アゴを持つ魚、淡水性の魚が現れたのもシルル紀です。

シルル紀の大陸配置

参照:ポプラディア図鑑 WONDA大昔の生きもの

オルドビス紀には分離していたローレンシア大陸とバルティカ大陸は、シルル紀にはバルティカ大陸が北へ移動し、ローレンシア大陸と陸続きになります。

ゴンドワナ大陸は、オーストラリアと南極あたりを極地に向かって移動させるように時計回りに回転します。、

 

シルル紀の気候

オルドビス紀末に上昇した気候はシルル紀になっても上昇し、シルル紀初期はかなり高温だったようです。

シルル紀初期の海洋温度は30~60℃だった、と推定する研究結果もあります。

シルル紀中頃ごろまでに氷河が発達する時期が何度かあったようですが、間氷期にはかなり高温だったため、”氷河が一気に溶けて海水面が上昇し、陸地が水没する”を何度か繰り返したようです。

シルル紀後期は気候がより暖かくなり、南極の氷河も無くなりました。

シルル紀になるまで陸上に生物はいませんでしたが、コケなど、胞子で増える植物が初めて陸上に進出しました。

福井県立恐竜博物館のシルル紀の陸地のジオラマです。

 

最初に上陸した植物

目に見えるサイズの植物が陸へ進出した時代がシルル紀です。

最初に上陸した大型植物のひとつ。クックソニアの化石。

 

維管束(いかんそく:植物の血管みたいなもの。水を運ぶ導管と栄養を運ぶ師管のこと)を持っていなかったアグラオフィトンの復元模型。

 

アグラオフィトンから維管束を持つ植物が現れますが、維管束植物は、大きく二つに枝分かれします。

一つがリニアの系統。

リニアの復元模型。水を運ぶ導管しか持っていませんが最初の維管束植物の一つ。

 

もう一つが、ゾステロフィルムの系統。

ゾステロフィルムの復元模型。

2系統に枝分かれした植物

以降に現れる陸生の維管束植物は、絶滅種も現生種も含めて、たった2系統に分けられます。

リニアの系統(リニアから枝分かれしたトリメロフィトンの系統)の植物は、大葉類(だいようるい)と呼ばれ、葉っぱを大きくすることでたくさん光合成を行う戦略を取ったグループ。

ゾステロフィルムの系統の植物は、小葉類(しょうようるい)と呼ばれ、葉っぱの数を増やすことで、たくさん光合成を行う戦略を取ったグループです。

 

ゾステロフィルムから枝分かれした植物はたった一系統、ヒカゲノカズラの仲間だけです。

ヒカゲノカズラ。小葉類なので全身葉っぱだらけ。小さいチクチクが全て葉っぱ。

ヒカゲノカズラは、日本国内では沖縄県以外どこにでも生えています。日当たりの良い山道の脇とかにいます。

イチイチ君
イチイチ君
現生のヒカゲノカズラの仲間はヒカゲノカズラ目、イワヒバ目、ミズニラ目の3目です。石炭紀のリンボクやフウインボクは、ヒカゲノカズラの仲間のうちの絶滅種です。

ヒカゲノカズラの仲間以外の全維管束植物(シダもスギナもタンポポもマツもイチョウもバラもコスモス達もぜーんぶ)は、リニアから枝分かれしたトリメロフィトンの系統なのです。

最初に上陸した生物

植物が陸上を覆うと、水中にいた節足動物が追いかけるように上陸し、陸上で暮らすようになりました。

イチイチ君
イチイチ君
植物が上陸するよりも前の時代に、すでに節足動物が陸にすんでいた、という説もあります。

最初に陸にすんだ節足動物はムカデやクモの仲間です。

外骨格の装甲を持っていた節足動物は、水中から陸上へ上がっても重力に絶えることが簡単だったため上陸する事ができた、とわれています。

イチイチ君
イチイチ君
上陸した、といっても植物も動物もそれほど陸生は強くなかったようで、水辺から離れることはできませんでした。

 

魚類、アゴを持つ

脊椎動物ではアゴの骨を持つ魚類が現れ、種類も増えましたが、まだまだ三葉虫、ウミサソリ、オウムガイ、アンモナイトなどの無脊椎動物の天下でした。

プテリゴトゥス・マクロフタルムス(Pterygotus macrophthalums)
ウミサソリの仲間、プテリゴトゥス。大きいもので体長2mになる節足動物です。

 

カブトガニの最初の仲間が現れたのはオルドビス紀ですが、シルル紀には現生種と変わらない姿のカブトガニが・・。

 

淡水域へ逃げた魚類

海水にしかいなかった魚類のうち、淡水にすむ魚類が現れたのもシルル紀です。

酸素もミネラルも豊富で水質の安定した海水域とは違い、淡水域は別世界です。

水温も水質も安定せず、干上がったり増水したりする淡水域は地獄だったでしょうが、海の無脊椎動物に襲われるよりはマシだったのかもしれません。

無顎類 腔鱗目 ロガニア科 テロドゥスの一種(Thelodus sp.)
この時代の魚のトレンドは、アゴの骨がない無顎類(むがくるい)でした。 無顎類の魚は古生代のうちに多くが絶滅しましたが、ヤツメウナギなどが現在も生き残っています。

シルル紀~デボン紀にかけて淡水域にすんでいた魚、ケファラスピス。体長20cm。

淡水域に進出した魚は、のちに最初に上陸した四足動物「両生類」へ進化します。

古生代 シルル紀の次の時代は、古生代 デボン紀です。

古生代 デボン紀へGO!


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