オーストリアダクティルスは三畳紀後期のヨーロッパにすんでいた翼竜類です。
鼻ヅラに骨の板でできたトサカを持つのが特徴で、トサカを持つ翼竜類としては最古の種類です。
オーストリアダクティルス(アウストリアダクティルス)
学名:Austriadactylus sp.(オーストリアダクティルスの一種)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 翼竜目 ランフォリンクス亜目 カンピログナトイデス上科 科不明
時代:中生代 三畳紀後期
翼開長:約1.2m
発掘地:オーストリア
学名の意味:オーストリア(国名)の指
トサカのある翼竜
オーストリアダクティルスは三畳紀後期(ノーリアン:約2億2700万年前~約2億0850万年前)のヨーロッパにすんでいた翼竜類です。
翼開長約1.2m。ヒトと比べるとこれくらい。
頭骨は約11cm程度。頭骨の他、上半身、翼の一部、尻尾の付け根が見つかっています。
頭骨には鼻ヅラからクチバシの先にかけて薄い骨の板でできたトサカがあり、トサカを持つ翼竜類としては最古の一種です。
オーストリアダクティルス以降に現れたランフォリンクス類の多くはトサカを持ちません。
何らかの理由でトサカが不要になっちゃったのでしょう。
ランフォリンクス類とプテロダクティルス類の中間にあたるダーウィノプテルスではトサカは復活します。
-
ダーウィノプテルス、翼竜の卵と子育て
続きを見る
ダーウィノプテルス以降、プテロダクティルス類では派手で目立つトサカを持つ種類がたくさん現れます。
トサカの役割は、仲間の識別や異性にアピールするため、とされているので、何らかの理由でトサカが必要になったのでしょう。
翼竜類の大型化と関係があるのかもしれません。
オーストリアダクティルスの分類
オーストリアダクティルスの分類はここらへん。
ランフォリンクス類のうち、プレオンダクティルス(カンピログナトイデス上科)に近い系統ではないか、とされています。
最古の翼竜であるエウディモルフォドンと同じ属か近い系統ではないか、という説もあります。
オーストリアダクティルス描いてみた
鼻ヅラにトサカ、短めの翼。
化石から、尻尾は棒状のスジで補強されていなかったことがわかっており、柔軟な尻尾だったかと推測されています。
樹上をチョロチョロ動き回るなど、尻尾を使ってバランスをとるような行動をとることが多かったのかもしれません。