ケラトサウルス
ケラトサウルスは、ジュラ紀後期の北アメリカ、ヨーロッパ、アフリカにすんでいた肉食恐竜です。
顔面に3つのツノ状の突起があり、前肢の指は4本、背中に装甲が並んでいるという、オリジナルな特徴があるので、
恐竜に詳しくないヒトでも見分けやすいです。
最初に覚えた恐竜がケラトサウルスだった、というヒトも多いのではないでしょうか。
ケラトサウルス
学名:Ceratosaurus nasicornis(ケラトサウルス・ナシコルニス)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 獣脚亜目 ケラトサウルス科
時代:中生代 ジュラ紀後期
体長:4.5m
発掘地:アメリカ ワイオミング州
学名の意味:角(つの)トカゲ(ケラトス=角のある、サウルス=トカゲ)
ケラトサウルスは意外に小さい
ケラトサウルスはジュラ紀後期(キンメリッジアン~チトニアン:約1億5730万年前~~約1億4500万年前)の肉食恐竜で、アメリカの他、ポルトガル、タンザニアからも見つかっています。
最大体長約6m、推定体重600kg、獣脚類の中では中型の大きさです。
ヒトと比べるとこれくらい。
ちょっと見にくいけど、他の獣脚類と大きさ比べ。
奥のタルボサウルスとティラノサウルスは体長12m。右端の黒いのは10mのアロサウルス。
比べると小さくみえて華奢ですが、頭に3つのトサカ、背中に装甲、湾曲したカギ爪、大きな牙、かっこよさは盛りだくさん。
どの角度から見てもかっこいい。映え~。
同期はアロサウルス、トルヴォサウルス
ケラトサウルスは、北アメリカの他、ポルトガル、アフリカと、世界中の広い範囲で見つかっているのでかなり繁栄していた模様。
同じ時代の肉食恐竜には、体長10mのアロサウルス(アメリカ、ポルトガル)、
おなじく当時最大級、体長12mのトルヴォサウルス(アメリカ、ポルトガル)などがくらしていました。
アロサウルスは動きの遅い剣竜類、トルヴォサウルスは大型の竜脚類、ケラトサウルスは、より小型で動きの早い鳥脚類を襲っていたのかもしれません。
とってもわかりやすいケラトサウルスの特徴
ケラトサウルスはオリジナルな特徴が多いので、恐竜を覚えたてのヒトでも見分けが付きやすい恐竜です。
ケラトサウルスの顔面にはツノ状のトサカが3つあるので、頭骨だけでもケラトサウルスとわかります。
ケラトサウルスの頭骨。
ツノ状のトサカは、鼻先×1と眼窩の上×2にあるのです。
正面からでもケラトサウルス。トサカは幅が狭くて薄いです。
トサカの役割は突き刺しや攻撃用ではなく、個体の識別や異性へのアピール用だと考えられています。
ケラトサウルスの前肢の指は4本です。(アロサウルスは3本、ティラノサウルスは2本です。)
カギ爪はかなり湾曲していて立派ですが、腕は貧弱・・。
化石標本では復元されないことが多いのですが、ケラトサウルスは背中の中央部に沿って細かい骨の板が並んでいたので、復元図では背中にギザギザがあって怪獣のようです。
ジュラ紀後期の北アメリカ。2頭でドリオサウルスを挟み撃ち。
体のわりに頭骨は大きめですが首は短いので、獲物を襲うときには頭から突撃したのかもしれません。
牙も長いのです。
中ほどのある牙が特に長く、攻撃力がとっても高そう。
近年、複数頭の足跡の化石が見つかり、群れで行動していた可能性があると考えられるようになりました。