ホプロフォネウス
ホプロフォネウスはネコ科の動物にそっくりの絶滅動物です。
上あごの牙がとても長いのが特徴で、いわゆる剣歯虎(サーベルタイガー)の一つです。
ホプロフォネウス
学名:Hoplophoneus primaevus(ホプロフォネウス・プリマエヴス)
分類:哺乳網 食肉目 ネコ型亜目 ニムラブス科
時代:新生代 古第三紀 始新世後期~漸新世後期(3800万年前~2300万年前)
体長:1m
発掘地:北アメリカ ネブラスカ州
学名の意味:武装した殺し屋
ホプロフォネウス
ホプロフォネウスはネコ科の動物にそっくりの絶滅動物です。
古第三紀 始新世後期~漸新世後期(3800万年前~2300万年前)の北アメリカにすんでいました。
ネコ科に近縁の絶滅グループ「ニムラブス科」の仲間で、体長は1mほど。
ホプロフォネウスの大きな牙は肉に突き刺さりやすいように扁平で長く、ノコギリのようなギザギザ(セレーション)がついていました。
大型の哺乳類を獲物にし、包丁のように突き刺し、ステーキナイフのように肉を切り裂いたようです。
ホプロフォネウスの頭骨。
捕食動物なので眼窩(がんか:目の穴)は真正面を向いています。
眼窩から鼻先よりも、眼窩から後頭部の方が長いという特徴があります。
大きな牙を保護するため、下アゴには牙を納めるための出っ張り(フランジ)が発達しています。
ニムラブス科ってどんなグループ?
ニムラブス科は食肉目の中の絶滅グループで、ネコ科に近縁の肉食性動物のグループです。
現生のネコ科の動物が繁栄するよりも古い時代に、北アメリカ、アジア、ヨーロッパでネコ科の役割をしていました。
丸い顔に短い鼻ヅラ、引っ込められる爪はネコ科とそっくりですが、四肢は短めで、後頭部が長いという特徴を持ちます。
四肢が短いのでネコ科の仲間ほど木登り上手ではなく、主に地上で狩りをしたようです。
最大の特徴は、上あごにあるアゴからはみ出すほどの長い牙です。
ニムラブス科の仲間の牙には2種類あって、とても長い牙を持ち肉を切るギザギザが細かいタイプと、牙が短めで扁平な、ギザギザが大きいタイプがいました。
獲物にする動物が異なっていたのでしょう。
ニムラブス科の仲間は、古第三紀 始新世後期~漸新世末期(約3800万年前~約2300万年前)にかけて繁栄し、新第三紀 中新世後期(約530万年前)に絶滅しています。
ネコ科との競合に負けた、という説もありますが、ニムラブス科の絶滅後にネコ科の仲間の多様化が始まっているので、牙を使って倒せるような大型の獲物が減ったなどの原因があったのでしょう。