恐竜・獣脚亜目 中生代の生物

シノサウロプテリクス、尻尾はシマ模様だった羽毛恐竜

シノサウロプテリクス

シノサウロプテリクスは、白亜紀前期の中国にすんでいた肉食恐竜で、体長は1.3mほど。

中国名は『中華竜鳥(ちゅうかりゅうちょう)』です。

羽毛の痕跡がはっきり残った化石が見つかり、体色の一部が判明している恐竜の一つです。


シノサウロプテリクス
学名:Sinosauropteryx prima(シノサウロプテリクス・プリマ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 獣脚亜目 コンプソグナトゥス科
時代:中生代 白亜紀前期
体長:1.3m
発掘地:中国 遼寧省
学名の意味:中国の羽トカゲ

最初に発見された羽毛恐竜

シノサウロプテリクスは体長1.3m、推定体重2kg~9kg、白亜紀前期(バレミアン:約1億2940万年前~約1億2500万年前)の中国にすんでいた肉食恐竜です。

シノサウロプテリクスの全身化石。

頭から背中、尾にかけて羽毛の痕跡がはっきり残っています。

今では羽毛恐竜は珍しくありませんが、シノサウロプテリクスの発見(1996年)により、
『羽毛は鳥類が初めて獲得したもので、鳥類オリジナル』という当時の常識がひっくり返りました。

イチイチ君
イチイチ君
シノサウロプテリクスよりも先(1981年)に、翼を持つアーケオプテリクス(始祖鳥)が発見されていましたが、当時は恐竜ではなく鳥類とされていました。

なぜ羽毛を生やしたの?

福井県立恐竜博物館のシノサウロプテリクスの復元模型。

現生の鳥の羽を使った復元模型なのでモコモコしていますが、
実際のシノサウロプテリクスの羽毛は、ウロコが盛り上がって1本の羽軸に変化しただけの原始的な羽毛でした。
枝分かれしていない毛みたいな羽毛で、毛の中は空洞になっていたようです。

シノサウロプテリクスの頭から首の部分の羽毛、見える?。

羽毛というよりは細い毛のようです。

なぜウロコから羽毛に変化させたのか、色々な説がありますが、
シノサウロプテリクスを含め羽毛恐竜がたくさん見つかっている白亜紀前期の中国は、
平均気温が10℃程度と、かなり低かったことが分かっていて、体温を維持するための防寒具が必要だったのではないか、と考えられています。

ウロコを変化させて自前のダウンジャケットをゲットしたわけです。

体色は茶色だった?。

シノサウロプテリクスは体色(羽毛の色)の一部が判明している恐竜です。

どうして色がわかるか?。

羽毛の色になる色素細胞(メラニン)の集合体「メラノソーマ」が、状態の良い化石であれば残っていることが分かり、
現在の鳥類の羽毛と比較することで、おおよその色が分かるようになったのです。

シノサウロプテリクスの体の羽毛からは、黄~茶色を表現するフェオメラニンの集合体フェオメラノソーマが見つかったため、体色は黄色~茶色っぽい色、

尻尾の羽毛には、茶~黄色を表現するフェオメラニンの集合体フェオメラノソーマが有るところと無いところが交互に並んでいたので、色の違いが交互にあった(シマ模様があった)ことがわかったのです。

イチイチ君
イチイチ君
メラミンにはいくつか種類があって、フェオメラニンは黄~赤茶、ユーメラニンは灰色~黒を表現する色素です。

シノサウロプテリクスのしっぽ。

化石でもちゃんとシマ模様になっています。

シノサウロプテリクス、描いてみた

シノサウロプテリクスが群れをつくっていたかどうかはわかっていませんが、群れにしてみました。

シマ模様のある尻尾は胴体よりも長いのが特徴です。
体のわりに頭はわりと大きめで、口先が細くなった三角形の顔です。前肢はかなり短いです。
首はイラストよりも短く、胴体ももう少し寸詰まりかな。

【動画】シノサウロプテリクス、描いてみた

シノサウロプテリクスを描いてます。どんな風に描いているか興味のある方はご覧ください。


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