新生代の生物 現生哺乳類

アブラコウモリを捕まえた話。手乗りコウモリはかわいい。

アブラコウモリ(イエコウモリ)

アブラコウモリは家コウモリとも呼ばれ、日本では民家の近くにすむ小型のコウモリです。
夕方にパタパタ飛んでいるコウモリはたいがいアブラコウモリ。


アブラコウモリ
分類:哺乳網 コウモリ目 コウモリ亜目 ヒナコウモリ科
学名:Pipistrellus abramus(ピピストレルルス・アブラムス)
英名:Japanese Common Pipistrelle(ジャパニーズ・コモン・ピピストレリ)
体長:4cmほど(翼を広げると20cmくらい)
生息地:日本、台湾、ベトナムなど

アブラコウモリってこんなヤツ

アブラコウモリは別名「イエコウモリ」です。

名前の通り、民家の軒下、戸袋、板塀のスキマなどにすんでいます。

夕方、ぱたぱたと飛び回っている小さいコウモリは、ほとんどアブラコウモリです。民家が少なくて街灯がない田舎では、ほとんどお目にかかれません。

市街地では、アブラコウモリのエサとなる虫が街灯に集合するので、エサを採りやすいのでしょう。

街灯が点灯する夕方になると、民家の軒下、戸袋、板塀のスキマ、シャッターのスキマなどからサラリーマンのごとく一斉に出勤し、超音波を出しながら、蚊、羽虫、蛾などをキャッチして食べます。

コウモリ嫌いな人もいるかと思いますが、アブラコウモリが減ると、羽虫、蛾、蚊などが大発生します。

拾いひろいコウモリした時の話

アブラコウモリが落ちていたので、埋めてやろうと思って拾ったら生きていたので、観察させてもらいました。

まず、大人しい・・。

キーキー暴れるかと思ったのですが、大人しい。

普通の哺乳類とは骨格が違うので、ポッキリ折れそうであちこちさわれず、手の上に乗せるのみで観察。

チチッと威嚇して鳴いてみたものの、あとは、なすがまま。

なんてラブリー♥な手乗りコウモリ。体重が無いくらい軽いです。

体にはぷわぷわの体毛が生えており、翼はシワのある皮膚です。翼に毛はありません。

鳥かごに入れると逆さまにぶら下がって落ち着つこうとします。

ネコが覗いていますが、コウモリさんはネコを感知していない模様。

視力は良くないようです。目も小さいですし。

観察してみた感想

コウモリの翼は、指の間に張った皮膚でできています。

手が翼になっているので、コウモリ目は「翼手目(よくしゅもく)」とも呼ばれます。

コウモリの仲間は、後ろ足の向きが普通の哺乳類と逆向きです。

普通の哺乳類は、ヒザが体の前方に出るようにくの字に曲がり、カカトが後方へ向きますが、コウモリは逆。

ヒザが体の後方へ出るように>こう曲がり、カカトが前方へ向きます。
(足の裏が前に向くようになっています。)

観察させてもらった次の日、羽虫だらけの自販機の側の壁に放しコウモリしてきました。

壁をよじ登って行ったので、大丈夫なんでしょう。

コウモリは怖い?

コウモリを拾った、と言うと、血を吸われるから嫌いとか、洞窟にすんでいて汚い生き物でしょ、など、ドン引きされたわけですが、拾ったコウモリは無臭で、毛や翼に汚れは付いておらず、大人しい生き物でした(なすがまま)。

哺乳類のうち、コウモリの仲間はネズミの仲間に次いで2番目に種類が多く、哺乳類全種類の約1/4(1116種)がコウモリの仲間です。

1116種のうち、血をエサにしているコウモリはたった3種類。

さらに、3種類の中で哺乳類の血をエサにするのは、南アメリカにすむたった1種類(ナミチスイコウモリ)だけです。

小型コウモリの多くは昆虫をエサにしていて、大型のコウモリの仲間はフルーツや花の蜜をエサにしています。

魚やカエルなどを捕まえて食べるコウモリもいますよ。


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