ヒプノヴェナトルは、前期白亜紀の日本の兵庫県にすんでいた肉食性恐竜です。
2010年~2011年に化石が発見され、2024年7月25日に新属新種の恐竜として発表されました。
ヒプノヴェナトル
学名:Hypnovenator matsubaraetoheorum (ヒプノヴェナトル・マツバラエトオオエオルム)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 獣脚亜目 トロオドン科
時代:中生代 前期白亜紀
体長:1.1m
発掘地:日本 兵庫県丹波篠山市 篠山層群大山下層
学名の意味:眠る狩人(ヒプノ=眠る、ヴェナトル=狩人)
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描いてるシーンを見たい方はどうぞ。
【恐竜イラスト】ヒプノヴェナトル描いてみた、兵庫県丹波篠山で見つかった新属新種のトロオドン類
ヒプノヴェナトル
ヒプノヴェナトルは、前期白亜紀(アプチアン:1億1000万年前)の日本にすんでいた肉食性恐竜です。
推定体長1.1m、推定体重2.5kg。
ヒトと比べるとこれくらい。
恐竜類の中ではもっとも鳥に近いトロオドン科に含まれ、時代的にはトロオドン科の初期の仲間ですが、後肢の特徴は進化型であるとされています。
3本の中足骨が組み合わさって頑丈になっている(アルクトメタターサル)ことから走るのが早かったと推測されています。
また、前肢の爪がよく動く構造であることから、獲物を前肢で抑えたりとらえたりしたのかもしれません。
ヒプノヴェナトルの重要さ
トロオドン科の仲間でアルクトメタターサルの中足骨を持つのはヒプノヴェナトルが初めてです。
トロオドン科は鳥類に最も近い恐竜グループで、
進化するにつれ、鳥のように小型化する仲間と、大型化する仲間に分かれました。
ヒプノヴェナトルは小型ですが、頑丈な中足骨を持つことから、
大型化する仲間の先駆けだったのかもしれません。
恥骨が後方へ向くなど鳥類に似た骨盤を持つ仲間や、植物を食べる仲間もいたようです。
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種小名の意味
種小名の”matsubaraetoheorum”(マツバラエトオオエオルム)は、発見者の松原さんと大江さんから。
語尾の”オルム(オロウム)”は、学名に複数の発見者(男性含む)の名前が入る時に使われます。
眠る狩人
見つかった化石は、同一個体の前肢と後肢のヒザとカカトで、折りたたまれた状態であったことから
鳥のように丸まった姿のまま化石になったと考えられています。
寝姿だろうとの推測から学名は”眠る狩人”。
前肢の化石と後肢の化石は見つかった年が異なり、別個体のものと考えられていましたが
調査の結果同一個体のものと判明した経緯から、
今後、この個体の頭骨や胴などの発見が期待されています。
もし、巣に座った状態だったとしたら、巣や卵の化石も見つかるかもしれません。