ムッタブラサウルス
ムッタブラサウルスは、白亜紀前期のオーストラリアにすんでいた植物食恐竜です。
イグアノドンの仲間ですが、どこがイグアノドンなんだか・・。
なんだか、鼻が膨らんでいます。
鼻の穴も大きいです。
ムッタブラサウルス
学名:Muttaburasaurus langdoni(ムッタブラサウルス・ラングドニ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 鳥盤目 鳥脚亜目 イグアノドン科
時代:中生代 白亜紀前期
体長:8.5m
発掘地:オーストラリア クイーンズランド州
学名の意味:ムッタブラ(地名)のトカゲ
あだ名は鼻の穴ドン
ムッタブラサウルスは、白亜紀前期(アルビアン:約1億1300万年前~約1億0050万年前)のオーストラリアにすんでいたイグアノドンの仲間です。
最大体長9m、推定体重900kg~3600kgです。
ムッタブラサウルスの復元模型。
イグアノドン的な要素はあんまり無い。
角度を変えても、あんまり無い。
イグアノドンの仲間は飾り気のないシュッとした馬ヅラですが、ムッタブラサウルスは鼻骨が盛り上がった鼻の穴の大きな馬ヅラなのが特徴です。
ムッタブラサウルスの頭骨。
鼻のあたり(前上顎骨:ぜんじょうがくこつ)の膨らんだ部分は空洞になっています。
また、鼻の骨の周辺はコブ状にボコボコ膨らんで飾られています。
このヘンテコな鼻の使い道にはいろいろな説があります。
呼気を暖めたり冷やしたりして体温調節に使った、嗅覚を倍増するために使った、などなど。
コブ状に飾られているところからみると、現生のキリンのオデコのごとく成長したオスのシンボルなのかもしれません。
白亜紀前期のオーストラリア。
鼻袋を膨らませて怒りMAXのムッタブラサウルスと、若いアウストラロベナトル。
鼻袋なんかがあったとすれば、鳴き声や威嚇にも使われたかもしれません。
イグアノドン類の中では原始的なムッタブラサウルス
ムッタブラサウルスは、イグアノドン類の持っている親指スパイクを持っていません。
ムッラブラサウルスの右手。
ムッタブラサウルスの第一指(親指)は他の指より短いフツーの指です。
ムッタブラサウルスはイグアノドン類の中では原始的な仲間なので、親指スパイクはまだ進化していなかったのでしょう。
ムッタブラサウルスでは「まだいらねーよ。」だった親指スパイクは、イグアノドン類では何らかの必要があって「親指スパイクいいね!」になり、
イグアノドン類から進化したハドロサウルス類になると、「もういらねーよ。」とばかりに無くなってしまいます。
何らかの理由で必要がなくなったのでしょう。
親指スパイクを接近戦の武器として使っていたのであれば、敵がいなくなったのか、もっとスペシャルな武器(逃げ足とか)をゲットしたのかもしれません。
ムッタブラサウルスの右足。
ムッタブラサウルスの後肢は4本指です。
第一指(親指)が小さいながら残っています。(イグアノドンは3本指)。
上記のようにイグアノドン類の特徴を持っていないなど原始的な特徴から、研究者によってはムッタブラサウルスをイグアノドン類に分類しない場合もあります。