アオルンは、後期ジュラ紀の中国にすんでいた獣脚類です。
2013年に発表された新属新種で、コエルロサウルス類としては生きていた時代は古いのですが、系統的にはティラノサウルス類よりも進化型です。
アオルン
学名:Aorun zhaoi(アオルン・ザオイ)
分類:爬虫綱 双弓亜綱 主竜形下綱 恐竜上目 竜盤目 獣脚亜目 科不明
時代:中生代 後期ジュラ紀
体長:約1m
発掘地:中国 新疆ウイグル自治区
学名の意味:敖閏(アオルン:西海龍王の名前)
発見されたのは幼体か
アオルンは、中生代 ジュラ紀後期の初めごろ(オックスフォーディアン:約1億6350万年前~約1億5730万年前)の獣脚類です。
見つかっている化石は生後1年未満の個体と考えられていて、推定体長1m。
成体ではもっと大きかったかもしれません。
推定体長1mとすると、ヒトと比べるとこれくらい。
頭骨と部分的な化石しか見つかっていませんが、頭骨の状態は良く、上顎骨窓(じょうがくこつそう)と呼ばれる孔がとても大きいという特徴がありました。
歯は小さく数が多いので、雑食性ではないか、とする説があります。
上顎骨窓は、前眼窩孔と外鼻孔の間にある孔です。 上顎骨窓が塞がっている恐竜もいます。
アオルンでは上顎骨窓がでかい、とのことで、鼻孔の横に目立つヘコミを付けて描いてみました。
学名の由来は西海竜王
アオルンの学名の由来は、中国の神話に登場する東西南北の海を統治する四海竜王(しかいりゅうおう)、東海竜王、南海竜王、西海竜王、北海竜王のうち、西海竜王の名前、敖閏から。
日本語読みでは「ごうじゅん」ですが、中国語読みでは「アオルン」です。
懐かしい昭和のドラマ『西遊記』では、三蔵法師の馬「玉竜(ぎょくりゅう)」の父王が西海竜王です。
玉竜は西海竜王の第三太子。
小説「創竜伝」では竜堂四兄弟の三男坊、ソニックウェーブを放つ竜堂終くん(西海白竜王・敖閏)として登場します。
アオルンの分類
アオルンの分類はここらへん。
生きていた時代は後期ジュラ紀で、最古のコエルロサウルス類とされるズオロンとほぼ同じ時代同じ場所にすんでいました。
しかし、系統としてはティラノサウルス類よりも進化型であるため、コエルロサウルス類が、ズオロンが現れた後期ジュラ紀後ごろから超短期間で適応放散し、繁栄した、とする説を証明する恐竜だとされています。